阪神・佐藤輝はタメが足りない 後半戦不調の原因は「早い開き」藤田平氏が指摘

 2022年シーズンへ向け、阪神球団OBがチームへ提言する「虎レジェンズの声」。猛虎一筋19年で、現役時代に通算2064安打をマークし、95、96年に監督を務めた藤田平氏(74)が3回にわたり意見する。第1回は前、後半戦で大きな好不調の波に苦戦した佐藤輝明内野手(22)の打撃を見比べて分析した。

  ◇  ◇

 今年の佐藤輝は好調だった前半戦と不振となった後半戦の差が激しかった。これは「深刻な状態」になるまで修正を施せなかったことが原因のひとつだ。

 2軍調整期間も設けられたが、肝心なのは首脳陣が本来のフォームやポイントを把握できていたか。来年は「深刻な状態」となる前に適切な処置を施せるかが重要。正確な指導を行える準備がコーチ陣に求められる。

 この点を踏まえ佐藤輝の今年を振り返ると、前半時と後半時の違いのひとつは、十分なタメができていなかった点。好調時のタイミングは「1、2、3、、、」だったのに対し、不調時は「1、2、、、」で打っていた。

 連続写真を見れば前半戦は体の軸足側である左半身と下に重心を残しスイングができている。エネルギーをためながらスイングへ移れていた状態だ。不調時は、タメができておらず後半戦写真(6)のように腰の開きが早い。

 開きが早いと、バットとボールの距離は長くなる(後半戦写真(6))。開きが早いにも関わらずスイングが遅れ気味だから、ボール球に対してバットが止められない。空振りが多い原因はこの点だ。

 理想は、ステップした足が地面に着くのと同時にバットが出てくる打撃。前半戦写真(6)に近いイメージだ。不振時はステップする足が地面に着地して、しばらくしてからバットが出てきていた。

 また、前半戦と後半戦のそれぞれ写真(1)で分かる通り、途中からグリップの位置を下げた。グリップ位置に関しては下ろした方がいい。自然と重心が下がるためだ。

 グリップ位置が高いと重心も上がる。前半戦の方が好成績だったが、体の構造という観点で見れば重心は下でなければいけない。男性ならヘソ辺りだ。

 好不調は誰にでもある。大事なのは「深刻な状態」に陥る前。佐藤輝本人が自分のポイントをおさえることも必要だし、首脳陣が不調となりかけているタイミングで“変化”に気づいて助言できるかが重要だ。

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