【岡田彰布氏の眼】阪神打線の得点力向上へ「チグハグさをなくすことよ」

4回、セーフティバントを決める近本(撮影・飯室逸平)
4回、遊飛に倒れるマルテ(撮影・飯室逸平)
5回、打者・高橋の時に飛び出し二、三塁間でアウトになるロハス(野手・岡本)=撮影・西岡正
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 「巨人0-3阪神」(14日、東京ドーム)

 阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏が14日、東京ドームで行われた巨人-阪神戦で本紙の解説を務めた。九回にビエイラを攻略し、先発の高橋が中5日ながら抜群の投球を見せたことを評価した岡田氏。一方、課題の得点力不足が解消されない点には「チグハグさを無くすことよ」と分析した。

  ◇    ◇  

 阪神は九回にビエイラを崩した。捕手が岸田ということもあり、1死一、二塁から糸原の打席中に2度もサインが合わずマウンドに行く場面があった。これではストッパーと言えども、リズムに乗れない。板山、木浪のヒットは大きかったし、優勝を争う上で、そして巨人と戦う可能性があるポストシーズンをにらんでも、相手にダメージを残す1勝だ。

 その白星を呼び込んだのは間違いなく高橋のピッチングだろう。前回、中5日であまり状態が良くなかったが、この日は力みも抜けて非常に良い内容だった。次回も中5日でヤクルト戦に向かうのだろうが、不安を払しょくするには十分だ。

 今のチーム状態を考えれば、とにかく先発投手陣が耐えて耐えて打線の奮起を待つしかない。高橋の踏ん張りがあったからこそ、九回の攻撃が生まれたと言える。

 そして冷静に打線を分析すれば、中野-近本のラインで得点機を生み出すしかない。そこで気になったのは四回、1死二塁から近本がセーフティーバントを試みたこと。なぜ首脳陣が3番に置いたかを考えてほしい。打率でチームトップの近本に走者をかえしてほしいからだろう。

 得点圏にランナーを置いていただけに、ベンチは近本にはバントではなく、打って打点を稼いでほしかっただろう。結果的に一、三塁と好機は拡大し、2球目に一走近本がスタートを切ったにもかかわらず、マルテは簡単に打ち上げた。まだカウント1ボール。高めの変化球を狙っていたように、併殺を避けたいのであれば、走者が動いてから勝負でも良かった。

 おそらく近本はノーサインでスタートを切ったのだろうが、右打者だけに必ずマルテの視界にはその姿が飛び込んでくる。走ったのが分かるだけに、バットを止める、空振りすることも可能だったはずだ。これではチーム全体で、何とか得点をという意識が見えてこない。

 そして五回2死二塁からのロハスの走塁ミス。打者が投手の高橋ということもあり、外野手はかなり前に出てきていた。事前に守備位置を確認していれば、どんなにいいスタートを切ったとしても外野手の捕れる範囲の打球で生還することは不可能に近かった。

 だから最低限、このイニングは投手まで打順を回し、六回を1番から始めるという考え方で良い。そういうチグハグさを解消することが、得点を生むための大切なポイントになってくる。

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