【中田良弘氏の眼】オールスターの舞台が、阪神・佐藤輝の成長を促してくれるはずだ

 「マイナビオールスターゲーム2021・第2戦、全パ4-3全セ」(17日、楽天生命パーク)

 2年ぶりに行われたオールスターは1勝1敗に終わったが、原、工藤監督を筆頭に、両リーグともの真剣勝負が心を打った。阪神勢も、佐藤輝の先制弾や近本の活躍、岩崎、青柳の好投と虎党も満足の2日間だったはず。デイリースポーツ評論家・中田良弘氏も「とてもいいオールスターだった」と話し、阪神勢には今後に向け、エールを送った。

  ◇   ◇

 仙台で行われた意義というものを、感じさせてもらえた。あの震災から10年。MVPを獲得した島内はもちろん、則本昂、松井もマウンドで躍動した。新型コロナで先が見通せない世情にあって、ひとときでも心から野球を楽しめたことで、とてもいいオールスターだったと感じることができた。

 阪神勢に目を転じれば、この日投げた岩崎、青柳は普段通りの投球ができたように思う。五輪に向けても、いい調整となったのではないだろうか。

 さらに佐藤輝の先制ホームラン。この大舞台でやってのけるのだから、やはり並の新人ではない。

 佐藤輝に関しては、三振の多さが話題となっているが、私が気になっているのは、その空振りが、以前より“おとなしい空振り”になっていることだ。

 疲れもあるのだろうが、三振をしても投手にプレッシャーを与えられるような、こん身のフルスイングではないように見える。

 ここで言いたいのは、もはや佐藤輝を「1年生」でくくるべきではないということだ。立派な戦力だ。となれば、三振にも内容が伴うべきレベルを目指したい。

 これまでのように、あからさまなボール球に手を出し、苦しいカウントとなれば相手投手はますます甘い球など投げてこない。

 逆に、マルテのように選球眼から自分のカウントを作っていけるようにすれば、苦し紛れの甘い球が増えるはずで、率も上がるしホームランも増える。仮にそういう球を空振りしても、より強いスイングになっているはずだ。

 いずれにせよ、球宴という夢の舞台で、佐藤輝も岩崎、青柳も他球団の一流選手とコミュニケーションを取ることができたはずだ。それは今後の飛躍への、大きなヒントにもなるだろう。

 1カ月後、リーグ戦再開時に、成長した姿が見られることを、楽しみに待ちたい。

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