阪神ドラ1佐藤輝 反撃アシスト!流れ変えた今季5盗塁目 生観戦祖父母の前で躍動
「楽天2-3阪神」(11日、楽天生命パーク宮城)
かけがえのない人たちへ-。自らの足で流れを生んだ恩返し星を届けた。阪神ドラフト1位・佐藤輝(近大)が逆転勝利へと導く価値ある好走塁。宮城に住む父方の祖父母がプロ入り後初めて観戦に来てくれた仙台で“足攻”が光った。
2点を追う五回だ。先頭で相手先発・涌井からストレートの四球をもぎとる。スキを突いたのは2死一塁となって迎えた糸井の打席。「思いっきり行きました」と3球目にスタートを切り、今季5個目となる二盗に成功。さらに捕手・太田の送球が逸(そ)れる間に一気に三塁を陥れた。
直後に糸井の二塁適時内野安打で生還。1点差に詰め寄り、続く六回にマルテの逆転2ランを誘発。逆転劇への布石を打ったのは間違いなく佐藤輝だ。
久々の再会だった。祖父・勲さんと祖母・美智恵さんが観戦に訪れたのは、昨年の関西学生野球秋季リーグ戦以来。顔を合わせたのも約1年ぶりだ。試合前には『頑張ります』とメールを送っていた佐藤輝。試合が始まればバックネット裏の席から自身のネーム入りタオルを掲げ、声援を送ってくれた。
以前は楽天ファンだったという祖父母。それでも孫が猛虎の一員となれば事情は変わる。「今は阪神(の応援)に集中しています」と勲さん。また「大学の時よりも一回り大きくなった。体つきが」と間近で見た孫の成長に目を細める。
六回に中前打を放ったものの、バットでは3打数1安打。「(12、13日も)見に来てくれると思うので、もっとホームラン、打点とかも見てもらいたい」と佐藤輝は力を込めた。12日の相手先発は田中将で「球界を代表するピッチャー。自分がどれだけやれるか」-。肌で感じる祖父母ら家族、ファンからの期待に、黄金新人が応えていく。