阪神・近本 通算9度目の4安打 矢野監督おまじない効果で今季初猛打賞

 「阪神10-7ヤクルト」(18日、甲子園球場)

 チームに勢いをもたらし、苦悩の日々に別れを告げた。阪神の近本が今季初の猛打賞となる4安打、3得点。「4安打というよりも3得点の方が、僕はすごくうれしい」。切り込み隊長として機能し、今季最多10得点の猛攻の火ぶたを切った。

 初回から打線を活性化させた。先頭で迎えた第1打席。「打つべき球、甘い球をしっかり打ちにいけている」と、小川の初球、外角高め142キロ直球を捉えた。打球は三遊間を破る左前打。大山の右犠飛で先制のホームを駆け抜けると、三回無死一塁の第2打席では今キャンプでの成果を発揮した。

 「グラウンド状況とか、そういうのを考えたときに結構、有効かなと思った。しっかり狙ったところに転がせた。(臨時コーチの)川相さんに教えていただいた左足の使い方がしっかりできた」

 試合前から降り続く雨でグラウンド状態が悪いと判断した近本。絶妙なセーフティーバントを三塁側へ転がした。小川が捕球し、素早く一塁へ送球するも間に合わず。内野安打となり、打者一巡の猛攻へ好機を拡大した。

 試合前には、矢野監督から願いを込められていた。「今日はバットにおまじないをしていた。『打てるぞ』といって俺がおまじないをして打てたからさ」と指揮官。四回先頭の第3打席は遊撃への内野安打、八回の第5打席は左前打を放ち、昨年11月1日のDeNA戦以来、通算9度目となる4安打だ。

 ここまでチームが好調の中で、打率1割台と低迷。「本当に今まで、周りに助けてもらって、支えてもらって。足を引っ張ってましたけど、きょうみたいに自分が塁に出て、しっかり(本塁に)かえってくる」と巻き返しを誓う近本。もう足踏みはしない。選手会長が躍動し、チームの快進撃はさらに勢いを増す。

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