球児引退、そして次代のスター候補・佐藤輝獲得…今季の阪神10大ニュース

 デイリースポーツが選ぶ阪神の10大ニュース。阪神は球団史上最高のストッパー・藤川球児氏が22年間の現役生活に幕を下ろした。コロナ禍に見舞われた異例の2020年を振り返ってください。

 ◆1位 藤川球児が引退

 レジェンドがタテジマを脱いだ。藤川が20年シーズン限りで現役を引退した。

 プロ22年目の今季は、開幕から守護神を託された。だが、開幕から5試合で2度の決勝弾を浴びて、2敗2セーブ、防御率15・80。7月12日に右肩コンディション不良で出場選手登録を抹消された。

 同23日に再昇格後も状態は上がらず、スアレスから守護神を奪い返すことはできなかった。8月13日には右上肢のコンディション不良で2度目の出場選手登録抹消。同31日に20年限りでの現役引退を発表した。

 98年度ドラフト1位で高知商から入団。「火の玉」と称された直球を武器に日本を代表する投手へと成長した。05年は「JFK」の一角としてリーグ優勝に貢献。13年からは米大リーグに挑戦し、独立リーグを経て、16年から阪神に復帰した。

 日米通算245セーブを積み上げ、名球会入りの条件となる日米通算250セーブまで、あと5に迫っていた。それでも戦力になれない場合は、身を引く覚悟だった。

 引退会見では「いつつぶれてもいいという覚悟で粉骨砕身やってきた。野球人生に悔いはない」。阪神ファンに多くの感動を与えた右腕は、潔くユニホームを脱いだ。

 ◆2位 2017年以来の2位躍進

 矢野監督就任2年目は、前年の3位から順位を上げ、2017年以来の2位となった。

 出だしは大きく出遅れた。開幕カードで巨人に3連敗すると、12試合で2勝10敗。それでも投手陣では西勇、秋山、青柳が中心となり、打線も大山、サンズが奮起。7月19日・中日戦に勝って初の勝率5割とした。

 9月にはコロナ禍による主力離脱もあったが、大崩れすることなく、最終的には60勝53敗7分けの貯金7でシーズンを終えた。

 一方で、課題が明確となったシーズンだった。守備は2年連続12球団ワーストとなる85失策。巨人には8勝16敗と大きく負け越し、7・5ゲーム差をつけられた。矢野監督は来季が3年契約の3年目。弱点を克服できれば、05年以来16年ぶりのリーグ優勝が見えてくる。

 ◆3位ドラフトで佐藤輝引き当てる

 ドラフトでは矢野監督がオリックス、ソフトバンク、巨人と競合の末、1位で佐藤輝明内野手(近大)の交渉権を引き当てた。佐藤輝はお膝元の兵庫県西宮市出身で、小学生時代にはタイガースジュニアでプレーした経験を持つ。大学時代は下級生から大学日本代表の中軸を担うなど、パワフルなスイングと身体能力の高さが魅力。指揮官は外野での起用方針を明言しており、大山らと並んで次代のクリーンアップ候補として期待される。

 ◆4位 コロナ騒動が直撃

 新型コロナウイルスの猛威が阪神を直撃した。開幕前には大人数での会食から藤浪、伊藤隼、長坂が感染。チームは活動休止に追い込まれた。またシーズン中にも大人数での会食が発覚し、1軍から10人以上の選手が離脱した。

 矢野監督も内規を超えた人数での会食が露見し、一連の責任を取って揚塩球団社長が辞任を表明。後に球団史上初めて、藤原オーナーが球団社長を兼務することが発表された。

 ◆5位 藤浪球団最速162キロ

 10月19日のヤクルト戦(甲子園)で、同点の七回から登板した藤浪が球団史上最速となる162キロをたたき出した。コロナ禍で選手が大量離脱したことから、リリーフで躍動した藤浪。「いい経験になったし勉強になった」とオフの契約更改で配置転換を振り返り、来季に向けては先発一本で勝負する覚悟を示した。

 ◆6位 近本2年連続の盗塁王

 近本が新人から2年連続で盗塁王に輝いた。シーズン中に足を負傷していたが、31盗塁をマーク。阪神では赤星憲広以来、史上3人目の快挙となり「2年連続盗塁王というのをオフの時から思っていたので。タイトルを取れたという部分ではよかったかなと思います」。来季は最多安打のタイトルと3年連続の盗塁王が目標だ。

 ◆7位 大山が2冠争う

 生え抜きの4番として覚醒した大山が、セ・リーグの本塁打&打点部門で巨人・岡本らと激しい争いを繰り広げた。開幕はベンチスタートとなったが、マルテの故障によりチャンスをつかむと、キャリアハイとなる打率.288、28本塁打、85打点をマーク。契約更改では1億円の大台に到達し、名実ともに中心選手へ成長した。

 ◆8位 西勇2年連続2桁勝利

 移籍後初の開幕投手を務めた西勇は、2年連続の2桁勝利をマークするなどエースとして奮闘した。中でも7月18日の中日戦では、登板前に週刊誌で不倫騒動が報じられたが、鬼気迫る投球で完投勝利。お立ち台で「今後はプレーで返すことが大事。しっかり頑張っていきます」と決意表明するなど、タフな精神力が光った。

 ◆9位 ドラ2井上1軍デビュー

 履正社時代に夏の甲子園制覇へ導いたスラッガーが1年後、プロの舞台で輝いた。10月16日のヤクルト戦、代打で登場すると、プロ初安打となる右中間適時二塁打を放った。高卒新人野手の初安打初打点は1968年の川藤幸三以来となる快挙。「まさか1年目でこの舞台に立てるとは思わなかった」と初々しく語っていた。

 ◆10位 スアレスがセーブ王

 守護神・藤川の不振による離脱の穴を埋めたのは新助っ人のスアレスだった。最速160キロ超のストレートを武器に、25セーブで最多セーブのタイトルを獲得。オフは契約保留者名簿を外れるなど、メジャー流出が危惧されたが、2年契約で残留。来季もストッパーとして、2005年以来16年ぶりの優勝へ阪神を導く。

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