ハンドボールするなら名前変えろ 球児の中学時代恩師・上田監督手記

 今季限りで現役を引退する阪神・藤川球児投手(40)が10日、甲子園で行われた巨人戦で4点ビハインドの九回からラスト登板に臨んだ。藤川の引退試合に際し、中学時代の恩師・上田修身監督(58)がデイリースポーツに手記を寄せた。

  ◇  ◇

 初めて球児の名前を知ったのは小学6年生の頃でした。少年野球チームの監督、保護者の方から聞いたんですが、中学に入学した時は「野球部に入らん。ハンドボールに入る」と。兄貴がおったんで、「弟に言うとけ、野球部に入らんかったら球児という名前は変えろ」と言ったことはあります(笑)。

 最初はピッチャーとショートをやらせました。プレーはうまいし視野が広い。外野からのカットもホームに間に合わなかったら後ろの走者を刺しにいく。「上級生がこっちに放ってくるの!?」と。ピッチャーは肩肘に影響が出ないようにあまり投げさせませんでしたが当時からきれいな真っすぐを投げていました。投球フォームも今の形。上からガッとくる。唯一直したのはインステップだけ。高校以上になると体に負担がかかる。他は直すことがなかったですね。

 プロではなかなか芽が出なくて、元気なかったですね。「どうや?」と言いたいところはあったけど…表情を見たら言うたらアカンなと。2004年の後半は驚きました。後で聞いたら山口高志さんに指導を受けたと。球児やるな、すごいボール放り出したなと。

 引退はまだピンときていません。本当に辞めるんかなあと。よくやった、お疲れさま。それしかないです。これからは野球界全体を引っ張っていってほしい。メジャー、独立リーグを経て、いい影響を与えてくれると思う。プロアマの問題も打ち破って、後輩に教えてもらいたいですね。

(元城北中野球部顧問、現高知商監督)

 ◆上田 修身(うえだ・おさみ)1962年6月11日生まれ、58歳。高知商から日体大を経て、城北中では野球部の顧問として藤川を指導した。母校・高知商監督就任3年目の2018年には夏の甲子園出場を果たした。高校時代は主将を務め、エースの中西清起(元阪神投手)と共に80年センバツを制した。

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