【中田良弘氏の眼】阪神・藤川はプロの投手が憧れる投手

 「阪神0-4巨人」(10日、甲子園球場)

 この日はやはり、引退試合となった阪神・藤川について触れたい。改めて思うのは、プロのピッチャーが憧れるピッチャーであり、憧れるボールの持ち主であるということだ。

 他のピッチャーの150キロはバットに当たっても、藤川の150キロは、プロのバッターが分かっていても空振りしてしまうところにすごさがある。例えば回転数であるとか、下半身の使い方であるとか、いろいろな要因があるとは思うが、練習したからといって身に付くようなボールではない。生まれ持った天性のものだろう。

 入団当初から、すごくセンスを感じさせる選手ではあったが、まだ体も細く、故障がちなところがあった。そこを克服して、阪神でブレークして、メジャーにも挑戦した経験というのは、何物にも代えがたいことだと思う。またユニホームを着ることがあれば、いい指導者になるだろうし、まずは22年の現役生活お疲れさまでした。

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