【藤田平氏の眼】阪神・大山はファンの期待を意識して
「阪神9-1中日」(28日、甲子園球場)
阪神は大勝。主軸の大山は3安打、3打点と活躍。そこを見る限り、注文をつけるような試合ではない。
しかし、ファンが大山に期待しているものは何か、と考えれば、やはりホームランだろう。そういう魅力を持つバッターだ。
そのホームランは、今月13日を最後に出ていない。理由は2つ、考えられる。このところ、追い込まれてから直球を見逃す打席が増えている。球種の“ヤマ”を張っているような感じだ。
来た球に、素直に反応することで大きい打球が出ていたころと、少し変わってきたのではないか。
さらに八回の中前適時打も、甘い球を押っつけた打ち方になっていた。来た球への反応に加え、大振りに近いような、豪快なスイングで結果を出してきた時期と比較すると「振りにいってないな」という印象を受ける。
厳しいタイトル争いの渦中だけに、いろんな思いがあるだろう。相手投手も意識しているはずだ。それを跳ね返すには、持ち味の思い切ったスイングを取り戻すことだ。