「プロ野球ドラフト会議」（２６日、都内ホテル）

　阪神から２位指名を受けた即戦力候補の伊藤将司投手（２４）＝ＪＲ東日本＝は能見が憧れの存在だ。

　直球の最速は１４６キロながら、キレと配球で勝負する左腕。同じタイプと感じて、「大学時代から参考にしてＶＴＲで見るようになった」。残念ながらベテラン左腕は今季限りでチームを去るが、そのタイミングで虎の指名を受けたのも何かの導きなのかもしれない。

　横浜高で２度甲子園に出場。国際武道大２、３年の時には侍ジャパン大学代表にも選ばれた実績を持つ。それでも大学４年時には肘をケガしていたこともあり、２年前のドラフトで指名はなかった。

　「おかげで、この２年間ですごく成長できました」。チェンジアップに磨きをかけ、打者との駆け引きも覚えた。「完全に一皮むけた。いい投手が“勝てる投手”になった」と浜岡監督も目を細める。

　５日の都市対抗・東京第１次代表決定戦のＮＴＴ東日本戦では九回１死まで無安打投球で完封勝ちを決めた。会社の同じ課の同僚が作ってくれた大漁旗を模した応援旗には「三振大漁」の文字が刻まれている。

　「三振にはこだわりたい。１年目から先発ローテ入りを狙います」。“能見２世”の期待がかかる左腕が力強く宣言した。