【岡義朗氏の眼】阪神・大山は三塁固定でタイトルを 右翼守備は打席にも影響しかねない

 「阪神2-0広島」(21日、甲子園球場)

 どうか大山を優先してあげて…。阪神は広島に完封勝ちを収めたが、復帰したマルテを三塁で起用したことで、プロ入り初めて大山悠輔内野手(25)がスタメン右翼に入った。阪神、広島などでコーチを歴任してきたデイリースポーツ評論家・岡義朗氏(66)は、右翼守備の負担による打撃への影響を心配。本塁打、打点の2冠を争う大事な時期だけに“援護”の重要性を指摘した。

  ◇  ◇

 外国人3人が並んだオーダーは、確かに攻撃力を上げる可能性がある。ただ、その影響で大山が不慣れな右翼で初めて先発起用されたことには、違和感を覚えた。

 矢野監督が「チーム事情」と話したように、内部にしか分からないことは当然ある。単純に批判するつもりはない。あくまで個人的な見解として言わせてもらう。今の大山は2冠の可能性もある打者だけに、慣れた三塁に固定して打席に集中させてあげるべきではないかと思う。

 左翼での先発経験はあるだけに、そういう意味では右翼でも…という発想は理解できる。ただ、外国人と大山の4人で誰を優先させるかとなるとタイトル争いをしている大山ではないだろうか。

 私は現役時代に内野も外野も経験がある。そういう選手にとっては、外野の方が負担は少なく感じる。しかし、三塁が本職の大山は右翼守備にかなり神経を使うはず。これは打席にも影響しかねない。実際、この日は無安打に終わった。

 タイトルを獲得する上では、チームの協力、援護が欠かせない。タイトルとはそれぐらい大事なもの。その後の野球人生にも影響を及ぼす。起用の配慮などでタイトル奪取を援護されれば、信頼関係は強固なものとなり、翌年以降にもつながる。結果的にチーム力も高まる。

 マルテが結果を出したことで、しばらくはこのオーダーが続くかもしれない。そうなると大山のタイトル争いへの影響が心配ではあるが、監督というのは常に全体を見渡した上で最善策を選択しようと考える。その結果がこのオーダーということであれば、外部からとやかく言うつもりはない。大山には守備の負担を乗り越え、タイトルをつかみ取ってもらいたい。そうすればさらにスケールの大きな打者へと成長できる。

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