阪神・藤浪161キロ出た!自己最速&球団最速タイも「球速楽しんでる余裕はない」
「中日4-2阪神」(13日、ナゴヤドーム)
阪神・藤浪の登場に、敵地一塁側スタンドから思わぬ歓声が響く。「待ってました!!」。中日ファンの異例の歓迎に応えるよう、スコアボードに衝撃を刻んだ。自己最速&球団最速タイの161キロを計測。空席が目立つドームが驚きの声に包まれた。1回無失点。完璧な投球だった。
「ビハインドの展開だったので、流れを断ち切りたいと思いながら投げました。結果的に3人で抑えることができてよかったです」
出番は2点差の七回。託されたのは抑えるだけではなく、流れを引き寄せる投球だった。まずは先頭・大島の2球目に自己最速タイの160キロを計測。158キロで遊ゴロに斬ると、続く京田も159キロで遊ゴロに抑える。迎えたアルモンテとの対戦。3番打者相手にギアをさらに上げた。
カットボール3球で追い込み、4球目。重いミット音が響くと、スコアボードには「161キロ」が表示された。「球速を楽しんでいる余裕は正直ないです」。球場のどよめきにも動じない。最後はフルカウントから空振り三振に斬って取った。
これで登板4試合連続の無失点投球。「出ないよりは出た方がいい。そこを目指す訳じゃないですけど、よかったと思います」。球速にこだわりはないが、衝撃の12球に手応えは残る。敗戦の中で見せた光。新境地で輝く「F」が希望を担う。