阪神・藤浪 最速160キロ圧巻3人斬り すっぽ抜けも心乱れず4ホールド目

 8回を無失点に抑える藤浪
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 「阪神4-3DeNA」(11日、甲子園球場)

 1万9274人の甲子園がドッと沸いた。4-3の八回だ。セットアッパー阪神・藤浪が先頭大和への2球目に自己最速タイの160キロをたたき出した。1日・中日戦以来の大台到達にスタンドは大喜び。ただ3球目の153キロはすっぽ抜け頭上を通過。尻もちをついた大和に鋭い眼光を向けられたが、心は乱れなかった。打席を外す間、フーッと大きく息をつくと、157キロで押し込み、右飛に打ち取った。

 続く代打攻勢も力でねじ伏せる。代打神里は3ボールから159、158、158キロと直球を続け、遊ゴロ。さらに代打楠本への初球に160キロを計測。カットボールも交え、4球目159キロで左飛に抑えた。1点リードでの登板は中継ぎ転向後8試合目で初めて。4ホールド目を挙げ、ベンチに戻ると、ようやく白い歯を見せた。

 「少し投球のタイミングが合わなかったり、コントロールが付かないところがありましたが、何とか粘ることができました」

 高校時代から慣れ親しむ甲子園のスピードガンは心得ている。14年の甲子園での球宴。キャッチボールを一緒にした当時日本ハムの大谷(現エンゼルス)に「右打者の外角低めは出るよ」とこっそり教えた。大谷はその試合で球宴史上最速162キロを記録。ベンチで見届けた藤浪は驚きつつ満面の笑みだった。

 この日はスピードガン表示に、ニコリともしなかった。大和への160キロは外角低めへのボール球。球速に満足するどころか、力みを反省するように両腕をぐるっと回して、集中力を研ぎ澄ました。

 「3人で抑えることができて良かったですし、チームも勝てたのでうれしいです」

 リーグ優勝が絶望的になっても、ファンは藤浪の登場を楽しみに甲子園へ足を運ぶ。高卒1年目に「サンデー晋ちゃん」と呼ばれた日曜日。あの日の輝きを取り戻しつつある。

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