阪神ドラ2井上、バックスクリーンへ特大8号 遼馬撃ち単独キング!2冠獲れる!
「ウエスタン、ソフトバンク3-4阪神」(9日、タマホームスタジアム筑後)
リーグ2冠へ視界良好だ。完璧な弾道。スタンドのファンの視線が上がる。本塁打数でリーグ単独トップに躍り出る阪神ドラフト2位・井上広大外野手(19)=履正社=のアーチが、筑後の夜空に舞い上がった。
「1球で捉えられたということが一番の収穫かなと思います」
五回に右前打を放って迎えた2点リードの七回2死で松田遼の直球を一閃(いっせん)。白球はバックスクリーンへ一直線-。本塁打数で並んでいた広島・林を抜く8号ソロ。打点も1位・林に1差に迫る31打点と追い上げた。
バットを立てて構えていた8月は月間打率・175と苦しみ、姿勢が前傾気味になっていた。だが、直近はバットを寝かせ、背筋を伸ばしたフォームへ矯正したことで「低めの変化球をあまり振らなくなっている」と選球眼が良くなってきたという。
コロナショック後、1分けを挟んで7連敗中だったが、井上の一発も飛び出してチームは連敗地獄を脱出した。平田2軍監督は井上のリーグ2冠に向け「ここまで来たら貪欲に」と声をかけた。「2軍とはいえ、1年目で本塁打王、打点王というタイトルを。欲が欲しいもっと」。指揮官は語気を強めて“ダブル獲得”を厳命した。
井上も「狙っていくのはもちろんですが、シンプルに考えて打席に入っていきたい」と決意。自然体で2冠を狙う。