阪神・糸井 完全復活!同点打&V打!熱狂アルプス「最高です」今季3度目猛打賞!

 8回、糸井は右中間に勝ち越し適時二塁打を放つ
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 「阪神6-3DeNA」(22日、甲子園球場)

 困った、苦しい、助けて-そんな時に頼りになるのがベテランだ。阪神・糸井嘉男外野手(39)が六回に同点の左前適時打、八回には右中間に決勝の2点適時二塁打。今季3度目の猛打賞で昨年7月6日の広島戦以来となる1試合3打点。本拠地5連勝で3カードぶりの勝ち越し。ファンのため、最後まで諦めずに戦い抜く。

 勝利のハイタッチに並ぶ糸井は、矢野監督にポン、ポンッと肩をたたかれた。殊勲のベテランも、信じた指揮官も笑顔だ。「俺の原点」というアルプス席から、ヒーローを呼ぶ声が聞こえる。同点打に決勝打で3安打3打点。ファンの活気が戻る聖地で完全復活だ。

 「最高です。やっぱりあそこが埋まると盛り上がりますね」。今季初めて立ったお立ち台からアルプス席に手を振った。大声援を背に受け、打席に立ったのは八回だ。1死二、三塁。「ここしかない場面」に、狙いを直球1本に絞って待った。

 石田が1-1から投じた3球目。内寄りの143キロを狙った。鋭く右中間に飛んだ打球で一気に2人が生還。今季3度目の決勝打だけじゃない。1点差の六回には1死一、二塁で山崎から同点打。151キロの直球を左前にはじき返した。2戦連続のマルチ安打で今季3度目の猛打賞。3打点は昨年7月以来だ。

 「やっぱり悔しいし、自分を責める日もある。諦めたりする気持ちが出てきそうになるけど。朝、また『ヨシッ』ってやってます」

 左足首の手術から完全復活を誓う1年、スタメンを外れる日が多くなった。「数字も残せてない。自分の責任でもある」。悩んだ時、迷った時、誰もいないアルプス席に座る。幼少期に父に連れられ、初めて野球を見た場所だ。振り返れば夢をかなえるまで、順風満帆だったわけじゃない。

 大学1年で右肩を手術した。「終わった、もう野球を辞めようとも思った」。失意のまま手術室に向かう途中、麻酔でもうろうとする中で父の声が聞こえた。「もう一度、投げさせてください。先生、お願いします」。繰り返す言葉が頭から離れない。「絶対にプロに行かないといけないと思った」。アルプス席を見上げると、2人で夢見た日を思い出す。

 「やっぱり甲子園は、こういうのが甲子園だと思う」。原点の場所に戻った歓声が原動力にもなる。残り40試合。まだ戦う理由がある。「1個でも勝ちに、いや勝つ。もう勝つしかないので、勝つことを考えてやります」。これで本拠地5連勝。まだ諦めない。超人復活で奇跡の扉を開く。

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