阪神・大山 猛追19号!巨人・岡本欠場の間にキング2差接近
「巨人7-6阪神」(16日、東京ドーム)
東京ドーム8連敗は絶対に避ける、試合をひっくり返す-。阪神・大山の気迫がバットに乗り移った。敗色濃厚の最終盤で飛び出した19号2ラン。結果的に敗北を喫したが、1点差に迫る一発に誰もが逆転への夢を思い描いた。
3点差。九回1死一塁で大山が打席に入った。打席では集中力を研ぎ澄まし、守護神・デラロサに鋭い視線を向ける。2ボールからの150キロ直球を強振。左翼席へぶち込んで1点差とし、ベンチのムードを激変させた。
「しっかり自分のいいスイングができたと思います」。しかし、ボーア、陽川が連続三振に倒れて反撃は一歩及ばす。試合後の大山に笑顔はなかった。ただ、納得のいく形でスタンドインさせることができた。
本塁打数は僚友のサンズと並ぶ18本で2位だったが、この一発で単独2位に躍り出た。1位の巨人・岡本は21本で、その差は2。プロ4年目での初のタイトル奪取が現実味を帯びてきた。
阪神の日本選手では84年の掛布雅之以来出ていない本塁打のタイトルホルダー。「シーズン中なので、シーズンが終わった時にこれがよかったと振り返ればいい」と、タイトルより一戦必勝のスタンスは変わらないが、射程圏に捉えているのは確かだ。
前夜は4打数無安打だったが、この日は八回の左前打を含めてマルチ安打。「昨日は昨日、今日は今日」と一喜一憂することなく、目の前の試合、1打席、1球に集中することを心掛けている。味わった敗戦の悔しさはグラウンドで返すしかない。背番号3が闘争心全開で戦い、連敗脱出への道を切り開く。