藤川引退会見 粉骨砕身の22年「全く悔いはない」ファンに感謝、後輩にエール

会見で引退を表明する阪神・藤川球児=西宮市内のホテル(撮影・田中太一)
会見で涙をこらえる阪神・藤川球児=西宮市内のホテル(撮影・田中太一)
目を閉じ、言葉を詰まらせる阪神・藤川球児=西宮市内のホテル(撮影・田中太一)
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 阪神の藤川球児投手(40)が1日、兵庫・西宮市内のホテルで会見し、今季限りでの現役引退を表明した。

 1時間に及ぶ会見の中では、何度か言葉に詰まるシーンも。22年の現役生活に「いつも最後だと思っていた。全く悔いはない」とし、ファンに向けた感謝、後輩に向けたエールを語り尽くした。

 午後1時、スーツ姿でひな壇に上がり、口を開いた。「必然というか。1年間、体の準備が整わなければプロとして失格なので」。引退決断に至った経緯を明かした。時折、笑みを交えながら、晴れやかな表情で話し始めた会見。それでも22年の野球人生を問われると、「幸せなことに、あと2カ月半ある。自分なりに精いっぱいタイガースに貢献したい」と話すと、言葉に詰まって涙が浮かぶ。

 「いつつぶれてもいい覚悟でやってきた。僕、戦の話が好きで、粉骨砕身っていう意味で…」。言葉がなかなか続かない中、しばらく沈黙の後、「セーフですよね?」と笑わせて話を続ける。

 「前向きであり続けたことがよかったです。振り返らずに、前を向くということが、一番できたことかなと思います」

 日米通算250セーブにあと「7」で迎えた今季、メモリアルイヤーとなるはずだった。だが、11試合の登板で1勝3敗2セーブ、防御率7・20。今月13日には右上肢のコンディション不良で、本来の姿には程遠く2度目の出場選手登録抹消。現在は2軍でリハビリを続けている。

 大台の250セーブまであと「5」だが、「建前なしに言わせてもらうと、考えたことはない。もっと大きな財産をいただいた」と話し、チームへの思いを明かした。

 「タイガースが優勝すること。入団した時に3回は優勝すると言った。まだ2回しか達成していない。今、3回目のチャンスが来ていますから」。右上肢のコンディション不良から復帰し、現役最終年での優勝への決意を示した。

 「甲子園球場は僕にとって母親。阪神タイガースは父親」。“両親”の前で、優勝という形の最後の親孝行をする思いだ。この日も鳴尾浜球場で、2軍の全体練習に参加。屋外キャッチボールなどで汗を流した。ただ、即引退ではなく、9月中の1軍復帰を目指して、懸命なリハビリを続けている。

 会見場には「JFK」の1人、久保田智之プロスカウトも駆け付け、雄姿を見届けた。終了後には2人並び、笑顔で会見場を後にする。シーズンは残り60試合。華やかなラストランに向けて、藤川球児の戦いは続いている。

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