岡田彰布氏 勝てる投手は「リズムと球数を少なく、1イニングでも長く投げるべき」

 デイリースポーツ評論家の岡田彰布氏が、独自の視点で球界の話題を深掘りする「岡田辞典」-。「勝てる先発投手」について。防御率が良くても勝ち星が伸びない投手にはどんな“原因”があるのか。現役時代、そして監督時代の経験を基にひもときます。

  ◇  ◇

 真夏の戦いも真っただ中という感じやけど、開幕から3分の1以上を消化して、勝てる投手と勝てない投手が徐々に分かれてきているように感じるな。巨人・菅野、楽天・涌井がともに開幕7連勝か。一方で防御率が良くてもなかなか勝ち星が伸びない投手もいる。

 そういう時によく“援護率”というのが話題になるんやけど、これは偶然ではないと思う。やっぱり援護が多い投手、少ない投手というのはそれなりの要因があるんよな。

 現役の時、監督をやっていた時に一番、感じていたのは先発投手のリズムよ。立ち上がりからストライクをどんどん投げて、勝負してくれるピッチャーというのは野手にもリズムが生まれるし、試合の流れを呼び込んでくれる。

 逆に慎重になりすぎてフルカウント、フルカウントになっていく投手は野手から見ればしんどいし、序盤からゲームが重くなってしまうんよな。もちろん僅差で試合終盤に来て、1球で試合展開が変わる時は慎重になるべきや。でも序盤からボールの出し入れで勝負するとか、厳しいコースを突いて、突いて、というのはな。投手はいいかもしれんけど、野手はなかなかリズムが取れないんよ。

 あとここ最近、阪神の野球を見ていて思うのは、ピンチでもない状況で下位打線のバッターに“対4番打者”の配球をするケースが多い。一つの例で言えば追い込んでからボール球の変化球で何とか振らせよう、振らせようという組み立てよ。これでカウントを悪くして結果、フォアボールで歩かせてしまったりな。そういうケースは失点につながりやすく、野手のリズムが悪くなってしまう。

 打たせて取るというのは簡単ではないけども、序盤から球数はなるべく少なくしていくべきやと思うな。特に今年は変則日程で連戦が続く。リリーフ投手が疲弊しないためにも、先発投手には少しでも長くイニングを投げてほしい。

 そして逆の見方をすれば、長いイニングを投げた方が勝つ確率は高まる。今年はどの球団も救援陣が厳しいから、1イニングでも多く投げると、野手が逆転してくれる可能性が出てくるんよな。

 だからテンポ良く、序盤からどんどんストライクを投げ込んでいく-。そういう投手が白星を伸ばしていくシーズンになりそうやな。

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