阪神・藤浪、痛恨の一球…逆転満塁被弾も復活の予感!矢野監督「もちろん次も先発」

 「阪神2-4広島」(23日、甲子園球場)

 阪神の連勝が5でストップ。勝率5割に逆戻りした。357日ぶりの1軍登板となった先発の藤浪晋太郎投手(26)が4安打4失点で七回途中降板。六回、広島・ピレラに逆転満塁弾を浴びた。それでも五回までは無失点の快投。矢野監督は次回も先発チャンスを与える方針を示した。

 声を叫ぶ応援ができない中、力強い拍手が球場に響いた。駆け足でマウンドを降りる藤浪の背中に、声なき声が重なるように届けられる。勝利を手中に収めつつあった中、1球に泣いた今季初先発。悔しさ“一敗”の106球だが、復活を予感させた登板でもあった。

 降板後、自ら「ターニングポイント」と振り返ったのは、2点リードで迎えた六回のマウンドだ。先頭の西川に中前打を浴びると1死後、連続四球で満塁のピンチを背負う。ここで松山を迎えた。この日最速156キロの直球で押したが、なかなか抑えが利かない。

 それでも3ボールから最後は、154キロの直球で見逃し三振に斬る。ピンチを脱したかに見えた。だが、暗転したのは続くピレラとの対戦だ。1ボールから2球目、154キロの直球が高めに浮いた。浜風がやみ、左から右に吹く風にも乗った白球が、右翼フェンスをわずかに越えた。

 「粘りきることができず、もったいない投球になりました」。思わずマウンド上で天を仰ぐ。悔いが残る1球になったが、勝負した上の結果。続く会沢を空振り三振に斬ると、七回のマウンドにも向かった。失策と四球で無死一、二塁とし、6回0/3を4安打4失点で降板。663日ぶりの勝利はならなかった。

 それでも初回から粘りの投球。インステップ気味の投球フォームから、最速156キロの直球を軸に真っ向勝負を挑んだ。結果的に6四球は与えたが、ストレートの四球は1個。制球に苦しみ、勝負にならない昨年までの姿は、全く見られなかった。矢野監督は「もちろん次も先発させるよ」と明言。投球内容をしっかりと評価した。

 「晋太郎らしく腕を振って投げてくれた。勝負にいった結果なのでそれは仕方がない」

 勝ちたかった。1球に泣いた。敗れはしたが、降板後も悔しそうにベンチの最前列に立ち、反省できる投球は次につながる。「先制点をもらった状況だったので何としても、自分自身で勝ちを呼び込まないといけなかった」と藤浪。728日ぶりに1軍で喫した黒星を糧に、次戦で完全復活を証明する。

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