【中田良弘氏の眼】精神面での成長感じさせた青柳

 「阪神3-2DeNA」(10日、甲子園球場)

 強気な内角攻めが効果的だった。阪神先発・青柳の投球で特に目を引いたのはソトへの配球。三回2死から梶谷に右前打を許した後、ソトにストレートの四球を与えた。ただ4球全てインコース。このことが最後に生きた。

 五回は1点差に迫られた後の2死一塁から再びソトと勝負。7球粘られたが、内角を強く意識させた投球で最後は外角スライダーで空振り三振。内角攻めは腕が縮こまることもあるが、梅野のリードによく応えていたし、ボールに気持ちが乗り移っていたようだった。

 今年の青柳は精神面での成長を感じる。梶谷に先頭打者本塁打を許したが、その後はゴロアウトを重ねるなど持ち味を出していた。先頭の柴田を一塁内野安打で出塁させた三回を無失点に抑えたのも大きい。

 技術的な部分はコーチから教わることができる。だが、メンタルの強さは自分で身に付けるしかない。この日の青柳は一回り成長してきたな、という印象を抱かせる内容だった。

2023-11-05
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