阪神ボーア 待ってました1号左腕打ち弾!チーム9敗“暗黒ムード”吹き飛ばせ!
「中日6-3阪神」(1日、ナゴヤドーム)
最後の最後に希望が湧く一撃が飛び出した。阪神のジャスティン・ボーア内野手(32)が4点ビハインドの九回、来日1号ソロを右翼席に放り込んだ。しかし、チームは今季5度目の逆転負けを喫し、今季3度目の3連敗。1996年以来となる球団ワーストタイの開幕4カード連続負け越しが決まった。開幕11試合を終えて9敗は球団史上初の屈辱。待ちに待ったB砲の一発から流れを変えてくれ!
ナゴヤドームの時間が一瞬、止まったようだった。弾丸ライナーで伸びた打球は快音を残して右翼席へ。劣勢の中、ボーアに待望の一発が飛び出した。開幕11試合目、39打席目での来日初アーチだ。
「うれしかったですけど、(相手投手の)右、左は関係なく、自分のスイングができてホームランになって良かったです」
チームは今季3度目の3連敗。球団史上初の開幕11試合で9敗と屈辱にまみれた一敗だ。試合後はニコリともせず振り返ったが、今後の爆発を予感させる一発だ。4点ビハインドの九回、先頭で打席に立つと、岡田の118キロスライダーを積極的にスイングした。来日してから、“左腕アレルギー”をささやかれ続けた中、2月から実戦28打席目で初の快音がアーチとなった。
首脳陣はホッと一安心だ。清水ヘッドコーチが「マスコミさんが打てないと書くだけ。こっちは右だろうが左だろうが打ってくれると信じている」と語気を強めると、矢野監督は「チーム全体として点を取れない。打てないという中で貴重なきっかけにしてもらえれば」と願いを込めた。
開幕から苦悩の日々を過ごしてきた。キャンプから不動の4番と期待されながら、開幕わずか2試合で4番を外され、まさかの18打席連続ノーヒット。左投手が先発した7試合目には早くもスタメン落ちの屈辱を味わった。
プライドが傷ついてもメジャー通算92発の誇りにかけて、前だけを向いてきた。練習中は首脳陣の言葉に真摯(しんし)に耳を傾け、周囲に一切落ち込む顔は見せない。6月の「父の日」には息子とのツーショットをインスタグラムにアップ。最愛の家族のためにも、このままでは終われない。最近5試合は14打数5安打、打率・357。日本野球にアジャストし、いよいよ上昇気流に乗り始めた。
「チームが勝てていないので、勝つためにもっと打たないといけないと思っている。どうやって今からチームが勝っていくのか、どうやって自分が力になれるのか考えてやっていきたいと思います」
ボーアは巻き返しを誓う。本領発揮はこれからだ。開幕ダッシュに失敗した怒りはバットにぶつける。