藤田平氏 守りの秘けつはキャッチボール 阪神Vへ基本徹底ミス減少だ

 デイリースポーツ評論家陣が独自の目線で阪神の今シーズンを占う企画「虎Vへの夢構想」。第8回は藤田平氏が登場。

  ◇  ◇

 阪神とセ・リーグの他チームを比較した場合、大きな力の差はない。阪神は投手陣が安定し、打線は補強した外国人次第の面もあるが、全体的に打力も上がってきている。優勝を目指す上でポイントになるのは、内野の守備力だろう。

 昨季は12球団ワーストの102失策。記録に残らないミスも含めて無駄な点を与え、勝てる試合を落とすこともあった。これを逆にできれば、優勝は近づいてくるはずだ。

 もちろん首脳陣、選手も守備への問題意識を持っている。昨秋と、今春キャンプでは守備に重点を置いて練習する選手が多かった。

 それでも今年のオープン戦ではミスが目立ち、2月24日のオープン戦・ヤクルト戦では3失策するなど結果につながっていない。チーム内には若くていい選手がたくさんいる。もっともっと伸びる可能性を感じているだけに、『もったいない』と感じている。

 どうしてミスが続くのか。理由は基本が身についていないことだと感じている。守備には基本として足の運び、スタートの仕方、ボールの追い方など重要な要素はある。だが私はまずキャッチボールから見直してほしい。

 春季キャンプのキャッチボールを見ていると、「捕ってから構えてゆっくり投げる」という選手が目立った。練習のための練習をしているように見えた。

 「きちんとした足の運びをして、ボールを捕ったらすぐ投げる」、「相手の胸にきちんと投げ返す」など、試合を想定してできていただろうか。

 過去、一流選手ほどキャッチボールを重要視していた。私がプロ入り直後、吉田義男さんから教えていただいたのは、まずキャッチボールだった。江夏は以前、阪神の臨時コーチを務めた時に、藤浪の才能を認めた上で、キャッチボールの重要性を説いている。

 今季の開幕は最短で6月19日。約1カ月の調整時間がある。もう一度、基本に立ち返ってもらいたい。阪神は広い甲子園を本拠地にしており、得点が入りにくい。その分、守備で無駄な失点を与えるとダメージも大きい。守備を見直して「勝てる試合で確実に勝ちを拾う」という戦略を立てることが、優勝への近道となるはずだ。

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