明石商・来田、走攻守そろった選手に 昨春甲子園史上初「先頭打者&サヨナラ弾」

 今秋のドラフト会議に向け、阪神が注目する候補選手を紹介する「虎が追う」。昨年、甲子園春夏4強の明石商で主将を務める来田涼斗外野手(3年)は、実力と実績を兼ね備えた世代を代表するスラッガーだ。明石商では部員100人を超える中、1年時からリードオフマンを務め、高校通算29本塁打を記録。昨春のセンバツでは、甲子園史上初の「先頭打者&サヨナラ本塁打」をマークした。高校ラストイヤーとなる今年は、幼い頃からの夢であるプロ入りをかなえるために走攻守そろった選手を目指す。

  ◇  ◇

 180センチ、85キロの強靱(きょうじん)な体格に加え、50メートル走5秒9の俊足を持ち合わせる来田は、高校球界屈指のスラッガーだ。

 「長打が打てる打撃と塁に出てからの走塁が強み。(自分に対して)厳しい球が来るのは当たり前なので、そこを打って、とにかく出塁することが自分の仕事だと思う」

 淡々と語るが、そう簡単ではないことを来田はやってのける。そのポテンシャルの高さを全国に見せつけたのは、昨春のセンバツ準々決勝・智弁和歌山戦だった。

 「1番・中堅」でスタメン出場した来田は、先制点を許した一回裏に試合を振り出しに戻す右越えソロ。3-3で迎えた最終回には再び右翼席へ豪快な一発を放ち、劇的なサヨナラ勝ちを呼び寄せた。

 先頭打者&サヨナラ本塁打は、甲子園史上初の快挙。さらに、昨夏の甲子園でも初回先頭打者本塁打を放ち、2季連続4強入りに大きく貢献した。しかし、「まだ確実性のあるバッティングができていないし、日本一を目指しているので」と慢心することはない。

 ここ一番の大舞台で結果を残せる精神力の強さこそが最大の魅力だ。また、それを支える身体能力の高さと惜しまない努力、豊富な経験値も来田の大きな武器だ。

 ある球団のスカウトは「長打が打てるスイング力があるし、足も使える。何より野球を楽しそうにやるのがいいね」と野球に対する姿勢も評価している。

 今はまだ粗削りな部分もあるが、憧れの日本ハム・西川のような三拍子そろった選手になり得る素材だ。「まだまだ成長できる」と上を向く来田。夢であるプロの世界で活躍するために、さらなる進化を続ける。

 ◆来田 涼斗(きた・りょうと)2002年10月16日生まれ、17歳。神戸市出身。180センチ、85キロ。右投げ左打ち。外野手。兄の影響で有瀬小1年から「明舞ネオボーイズ」で野球を始め、神戸長坂中時代は「神戸ドラゴンズ」でプレー。明石商では1年春からベンチ入りし、2年秋から主将を務める。高校通算29本塁打。50メートル走5秒9。

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