「練習試合、ヤクルト７－２阪神」（２０日、神宮球場）

　間違いなくネクストブレークはコイツだ！八回にマウンドに上がった阪神の谷川が、この日も堂々たるピッチングを披露。初の開幕１軍入りへ向けて、大きくアピールした。

　わずか９球で打者３人をピシャリ。これで春季キャンプ中の練習試合、オープン戦、教育リーグを含めて、対外試合で８試合連続無失点。今年に入って８回１／３を投げ、いまだに点を取られていない。

　昨季の１軍登板は４試合。３年目での覚醒に、矢野監督も開幕１軍に“当確ランプ”をともした。「本当に安定している。今の形やったら、開幕しても本人も自信を持っていけると思う。ボールと投げっぷりと、結果も含めて出ているんでね。今のままの状態なら絶対に入るでしょう」

　オフに直球とフォークを磨き続けたことが、今の躍進につながった。昨年１０月のフェニックスリーグでは、あえてこの２球種のみで勝負するなど、明確にテーマを持って過ごしてきた。

　「落ちるボールを覚えたのがひとつ。ファームの時から俺が『左打者を抑える中で必要ちゃうか』というのはずっと言ってきていて。それが本当に安定して、一個一個のボールの質もよくなっている感じがある」と指揮官は目を細める。

　それでも谷川本人は、さらに上のレベルへ目線を向けている。「０で来ているのはいいと思う。ただ１球１球の精度だったり、納得がいっていない部分もある。この期間を有効に使って精度を高めていきたい」

　昨季は前年１試合のみの登板だった島本がチーム最多となる６３試合でマウンドに上がり、防御率１・６７と大ブレーク。そして守屋も前年の４→５７試合登板と一気に頭角を現した。“矢野チルドレン”からまた一人、頼もしい中継ぎ投手が現れた。