阪神ドラ2井上「初球から振れた」甲子園デビュー 2の0も矢野監督「雰囲気いい」
「オープン戦、阪神1-12日本ハム」(7日、甲子園球場)
大器の片りんは見えたで!阪神は7日、甲子園で日本ハムとのオープン戦を行い、ドラフト2位・井上広大外野手(18)=履正社、同4位・遠藤成内野手(18)=東海大相模=がデビューを果たした。ともに2007年の野原以来となる高卒新人のオープン戦出場で、井上は2打数無安打ながら初球からスイングするなど潜在能力の高さを証明。試合は12失点で大敗したが、数年後の虎の明るい未来を予感させる一戦だった。
甲子園のグラウンドに井上が帰ってきた。昨夏甲子園大会、星稜との決勝戦で履正社の4番を務めた男が198日ぶりに聖地で出場。“1軍デビュー”を終え「高校時代、楽しんでここで野球をやっていたことを思い出しながら野球をやっていました」と笑顔で充実の一日を振り返った。
緊張することもなく、積極的にバットを振りに行く姿があった。“初打席”は五回2死二塁で巡ってきた。無観客試合。昨夏の甲子園で体感したような大声援はなかった。だが西村の初球、外角の146キロ直球を迷わず強振。右飛に倒れたものの、プロの一線級を相手になかなか初球から振ることはできない。
「初球から振れたことはその準備ができていた証拠だと思う。準備ができて、初球から振れているということが今日の収穫です」
持ち味は「積極性」だと井上も自負する。「初球から積極的に振らないと、追い込まれて簡単にアウトになってしまうことが、これまでの試合であった。積極的に振っていこうかなと思いました」。イメージ通りに1軍のゲームでも実践できたことは、井上にとっても大きな収穫だ。
その一方でプロのレベルも痛感。七回2死二塁、カウント1-1から村田が2球立て続けに投じた外角ボール球のスライダーに誘われ振ってしまった。「変化球のサイド気味の投手だったが、止まって見えるというかあまり来ない感じ」。1軍投手の変化球を実感できたことは、間違いなく成長の糧になる。
試合前のフリー打撃では、46スイング中3本の柵越え。13スイング目は、甲子園大会決勝で星稜・奥川(ヤクルト1位)から逆転3ラン放った以来の“バックスクリーン弾”を放った。将来の主軸候補として、潜在能力の高さを見せつけたシーンだった。
矢野監督は「初々しいというより、雰囲気がいいよね。見たいなという感じもある。簡単に打ったりできるとは思ってないけど、雰囲気がいい」と打者としての風格を評す。8日・巨人戦で再び打席に立つ可能性もある。聖地を沸かせたスラッガーが、原点の地で大きな一歩をしるした。