阪神・近本 最強2番や!右翼へ豪快ソロ 実戦8試合でチーム最多の3本塁打
「オープン戦、中日2-6阪神」(22日、北谷公園野球場)
今季もこの男は頼りになる。フルスイングから豪快な放物線を描いた阪神・近本。打った瞬間、平田が追うのをやめた。右翼上空へ伸びていった白球の軌道。今年初のオープン戦で放った圧巻の一撃が、最強2番への確かな道しるべだ。
四回1死走者なしで迎えた第3打席だった。2番手・山井が投じた3球目、高めに浮いた137キロ直球に反応。「力まずにしっかり高めのボールを打つことができた」。体に巻き付くように鋭くバットを振り抜き、右翼席の中段に到達させた。
徐々に手応えを感じているキャンプでの取り組み。追求するのは脱力から一気に力を入れて強く振る打法だ。「打てている時は、自分のやりたいことができています。タイミングとかもありますけど」。その成果は長打力に表れ、ここまで実戦8試合でチーム最多の3本塁打を記録した。
矢野監督は「今年に入って引っ張っている打球が結構多いし、本来のチカ(近本)らしいバッティングの形にもなってきやすい」と高評価。また、一塁に走者がいる際も好影響を与えるとし「引っ張られるのは相手にとっても嫌なことだしね。いい打球がいっているので、ますます楽しみ」と2番打者として期待を寄せた。
指揮官が構想する「2番・近本」。足だけでなく、長打力を発揮できればチームにとって間違いなくプラスだ。過去、阪神での2番打者といえば、和田豊や久慈照嘉、赤星憲広、平野恵一と小技が得意な打者が任された。同打順で2桁本塁打を放てば、1971年の藤田平以来となる。
ただ、本人は打順について「特に考えないようにしています」と平常心を強調する。打順を意識するよりも、自分のスタイルでチームの勝利に貢献する考えだ。
春季キャンプも残り4日。3月20日のヤクルトとの開幕戦まで1カ月を切った。「オープン戦ではいろんなことをやれるようにしたい」とまだまだ打撃を追求していくという近本。本番に向けて万全の状態に仕上げていく。