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【コーチに聞く・新井良太打撃コーチ】「三本の矢」で築く強固なチーム

 阪神の「コーチに聞く」は、秋季キャンプ地・安芸で、若さを前面に出した熱心な指導で選手を鼓舞する新井良太打撃コーチ(36)。北川打撃コーチとともに、現状1、2軍の振り分けは決まっていないが、理想に掲げるのは井上、北川両打撃コーチとの「三本の矢」。“折れない心”で育成急務のチームを支える。

  ◇  ◇

 現役選手にも負けぬ大声が、グラウンドを活気づける。打撃投手を務めながら、新井打撃コーチの声が響く。「そう!!」、「いまのいいぞ!!」。多い時で1日1000球近く、若い選手に投げ込む日々を過ごす。肩、腰は「バキバキよ」と笑う。それでも、確かな手応えを感じている。

 「名前を挙げたらキリがない。ウチは可能性があるチーム。みんな本当によく練習する。オレらの仕事は選手をサポートすること。できるだけ不安要素を減らしてあげたい」

 現役生活12年。中日時代の落合博満氏をはじめ、真弓明信氏や金本知憲氏、レジェンド打者の監督に指導を受けた。兄・貴浩氏も通算2203安打。一流エキスは指導の根幹にある。「いろんな人に教えてもらった。取捨選択というか。“気付かせ屋”にならないといけない」。コーチとして2年、「見る」ことに重きを置いてきた。

 7月26日。木浪が初めて2軍に降格した。「付きっきりで見てもらった」と感謝する11日間は、同コーチにとって本来の姿を伝える日々だった。「聖也の良さはバットでリズムを取り、体に巻き付くようにして出る。それが力負けしたくない、打ちたいで『動』から『静』になっているように見えた」。変化に気付き、伝え、寄り添う指導。再昇格した木浪は、球団新人タイ記録の13戦連続安打など、結果を残した。

 「みんな、いいモノがあるからプロ野球選手になっている。お前の良さはこうだよ、と。打つ姿だけじゃなく、ルーティンの仕方もそう。見て、考えて、頭で整理してから伝えている。頭ごなしではなく、納得して打席に立たせてあげたい」

 打撃コーチ3人体制で指導する秋季キャンプ。現時点で、北川コーチとともに1、2軍の配置は決まっていない。それでも「すごくコミュニケーションを取ってもらっている」と、夜の食事会場も含めて3人で共有する時間は、指導方針のブレをなくす大切な作業だ。理想にするのは戦国武将・毛利元就の精神。故事「三本の矢」は結束の重要さを説く。

 1本だけでは折れる矢も、3本束ねると強固になる。6種類以上のティー打撃も、3人の会話の中から生まれた選手を飽きさせない育成方針だ。「やらされる練習も大切。オレみたいな選手でも12年間、現役を続けることができた。間違いなく言えるのは、練習しないヤツはいなくなるということ」。鍛錬の秋。ハードな打ち込みを続ける選手の前に、とことん付き合う打撃コーチの姿がある。“三本の矢”が、苦境でも折れないチームを作る。

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