阪神退団表明の鳥谷 お立ち台で「4試合全部勝つ」 矢野監督はV打と激走を絶賛
「阪神3-0DeNA」(22日、甲子園球場)
今季限りでの退団を表明している阪神・鳥谷敬内野手が、五回1死一、二塁から代打で決勝点となる先制の左前適時打を放ち、今季139試合目で初めて甲子園でヒーローインタビューを受けた。このタイムリーで通算822打点となり、岡田彰布に並ぶ球団歴代4位タイとした。
万雷の拍手と大歓声が甲子園を揺らした。今季限りで退団を表明している鳥谷がお立ち台に上がった瞬間だ。「なかなかここに立つ機会がなかったので、懐かしい感じがします」というヒーロー。「たくさんのファンの方が最後まで残ってくれているのでうれしい限りです」と感謝した。
五回1死一、二塁の好機で矢野監督は迷うことなく背番号1を指名した。指揮官が「ここぞ、という場面で打ってくれましたし。それよりもすごいのは、その後の二塁で内野安打になった走塁。打ったのもすごいんですけど、もしかしたらあの走塁の方が、すごいんじゃないかなと思います」と先制の左前適時打と以上に評価したのが走塁だった。
先制打が飛び出した直後、木浪の打球は三遊間へ。好捕した大和が二塁送球し、一度は塁審がアウトの判定を下した。しかし、リクエストで二塁へ全力疾走した鳥谷の足が速く判定が覆りセーフとなり、好機が広がり近本の左犠飛へとつながった。
逆転CS進出へ負けられない戦いが続く。貴重なベテランの一打と激走でチームは勢いに乗った。「そういうことも期待して、もちろんトリにも任せてるんでね。期待通りの活躍をしてくれました」と手放しで喜んだ。
「名前がコールされたときにすごい声援を自分も感じてましたし、その声援に後押しされていいヒットが打てたと思います」と振り返った鳥谷は、今季限りで阪神のユニホームを脱ぐことを決めている。
慣れ親しんだ甲子園では残り3試合。聖地への思いを「プロに入ってからずっとこの球場で育ちましたし、この球場の思い出はたくさんあるので、そういう意味では特別な場所だと思います」と吐露した。
退団を表明しても「たくさんのファンの方が自分の打席に入ったときに声援してくれている。その声を力にね、1打席ですけど、そこに向かって毎日準備しています」と残り試合への思いを語った。
逆転CS進出に向け「自分たちができることは4試合全部勝つことなので、そこに向けて選手全員で頑張っていきたいと思います」と最後まで戦い抜く覚悟を示した。