大山 虎トップ10度目決勝打 5戦ぶり主軸5番で仕事「先を見てもダメ」

 5回、勝ち越し2点適時打を放った大山はベンチへ向かってガッツポーズ(撮影・田中太一)
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 「中日3-6阪神」(14日、ナゴヤドーム)

 大騒ぎのベンチを見ながら、阪神の大山は静かに拳を突き上げた。打者9人の猛攻、6連打の逆転劇。“トリ”を飾った5番が勝利を決めた。チームトップを走る10度目の決勝打。5戦ぶりにクリーンアップに戻った主砲が、一挙5得点のビッグイニングを完結させた。

 「流れに乗って点を取れたのは大きかった。あそこで勝ち越すか、勝ち越せないかで変わってくる。そういう場面をモノにできたのは、チームにとって大きかったと思います」

 3点差で迎えた五回。2死から打線が奮起する。代打・木浪、近本の連打で1点を返すと北條、福留、マルテも続き同点に追い付く。なおも2死二、三塁で大山に打順が巡った。開幕から守ってきた4番を外れた。直近4試合は6番で出場し、計7安打と気を吐き、この日は5番に入った。

 代わった三ツ間に対して2球目。内寄りのスライダーを強振した。気持ちを込めた白球が中前で弾む。二走・マルテは頭からホームに滑り込んだ。チームは四回まで24イニング連続無得点。総意をバットに乗せた。脳裏に矢野監督の言葉がある。

 「比べるのは、昨日の自分だぞ」-。

 開幕から守ってきた4番の重責。打てなければ敗戦を背負う。「2年間、壁にしかぶち当たらなかった。乗り越えたと思っても、すぐに壁があるので」。人生はいつだって足し算だ。「まずは昨日の自分と勝負して、越えられるところを見つけたい」。昨日に勝ち、明日に挑む。4番を外れても必死に、自分自身と向き合う日々だ。

 「先を見てもダメなので。とにかく次の1試合、勝つのに必死です。どれだけ打てるか、守れるか。全てにおいてやらないと勝てない」。3年目、24歳。苦しんだ経験が糧になり、乗り越えた結果は力に変わる。前へ、前へ。シーズンは残り33試合。まだ終わらない。大山が終わらせない。

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