球児 新守護神!今季初セーブ ドリス&能見降格も…再編“方程式”V発進

 最後を締め、グラブをたたいて雄たけびを上げる藤川
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 「巨人2-4阪神」(26日、東京ドーム)

 ゲームセットの瞬間、阪神の藤川はフッと息を吐いた。慣れ親しんだ場所で、しならせた右腕が繰り広げたのは、チームに勝利をもたらす安心感。久々にマウンドで味わう勝利のハイタッチに、顔がほころぶ。首位を走る宿敵の前に大きく立ちふさがった、4人の防波堤。そのトリを飾った新守護神が、18年9月12日・中日戦以来となるセーブを挙げた。

 九回、敵地に「ピッチャー・藤川」がコールされると、左翼スタンドが沸き返った。ドリスと能見がこの日、出場選手登録を抹消された。開幕からブルペンを支えてきた仲間がいない。そんな緊急事態で「新しい戦いですが、私情は挟まずに」と、かつて絶対的守護神として君臨した背番号22が試合を締めた。

 2点リードの九回。先頭の代打・立岡に右中間への二塁打を浴び、一発出れば同点のピンチを招いた。だが、ここで浮き足立つはずがない。「点差はあったのでランナーは気にせず」と平常心を保ち、冷静に坂本のミットに視線を向けた。

 若林を一直、坂本勇には初球の149キロで中飛に料理。そして2死を奪って3番・丸への6球目だ。こん身の147キロストレート。バットが空を切る。猛虎の連敗が止まった。ベンチとナインの信頼を胸に投げ込んだ14球で、今季初セーブをもぎ取った。

 藤川が担っていた七回を岩崎、八回をジョンソンという形が新たな方程式。この日は七回に相手の中軸を迎えたため、ジョンソンが七回を抑えた。金村投手コーチは「試合前にみんなで球児につなげようと言っていた。新たなリレーの最初の試合で勝てて良かった」と明るい表情。「また、頑張ります」と短くうなずいた藤川。この男がいる限り、虎のブルペンは揺るがない。

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