藤浪“完投”2軍戦で8回8K101球「原点」自賛アウトロー!次回1軍総仕上げ

 「ウエスタン、広島1-0阪神」(29日、マツダスタジアム)

 目指す舞台は目の前だ。阪神・藤浪晋太郎投手(25)が29日、マツダスタジアムでのウエスタン・広島戦に先発、今季最長の8回を投げ、4安打1失点と好投した。球数は101球で8奪三振、与四球も1と課題の制球も安定していた。次回は7月6日のファーム交流戦・ヤクルト戦(戸田)に先発し、打席にも立つ予定。復活の階段を上る右腕が1軍昇格へ向け、総仕上げに入る。

 101球。単に大台を超えただけではない。1軍昇格の期待を十分に感じさせる投球だ。敗戦投手となったが今季5度目のファーム先発で、初完投した藤浪の表情は明るかった。「全体的に調子も悪くなかったし、それなりの内容だったんじゃないでしょうか」。言葉には充実感がこもっていた。

 上々の立ち上がりだった。先頭の大盛には粘られ、11球を要したがカットボールで空振り三振を奪うと、続く羽月を1球で遊飛。林には左前打を許したが、サンタナをフォークで三ゴロに斬った。

 最速154キロの直球を主体に、四回から六回までそれぞれ三者凡退に抑える。五回2死で大盛には実戦復帰後初となるカーブを試投。「(投球に)余裕もあったので、いろいろ挟んでみたいと思って」。そのカーブで一直に抑えるも「ヒットではないですが、捉えられたので」と、さらなる良化が必要なことを確認した。

 試合が0-1の膠着(こうちゃく)状態で進んだため、それまで「打ち取る投球」を意識していた藤浪は中盤以降「腕を振っていきたい」と力を入れた。そんな中、自信を深めた1球があった。七回1死で中神を見逃し三振に取った153キロ直球だ。「アウトローにビタッと決まる、いわゆる原点ですよ。一番良い所にいきましたし、ああいう球が増えていけば上でも抑えられると思う」。右手に残った感触をしっかりと刻んだ。

 与えた四球も1つだけ。「自分の中では納得のいく、ある程度イメージした打ち取り方はできている」。それでも本来の投球には「もうちょっと」と物足りない様子。場面場面を振り返り、甘く入った球や1軍だったら抑えられたのかなど反省点を思い浮かべた。

 ただ完全復調まであとわずかなのは間違いない。「『大丈夫です、行けます』とならないといけない」と力強く語った藤浪。次回先発は7月6日のファーム交流戦・ヤクルト戦を予定で、平田2軍監督は「打席に立つ可能性を考えるよ」と明かす。いよいよ本格的に1軍先発を想定した段階に入る。

 若きエースが苦しい夏場の1軍戦線に加われば厚みは増す。制球や球の精度、フォームにも確かな感覚をモノにしつつある。完全復活を遂げた藤浪が、マウンドで仁王立ちする姿を虎党は強く待ち望んでいる。

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