長坂 今季初打席でプロ1号!矢野監督の背番号を受け継ぐ男に光
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「広島7-2阪神」(1日、マツダスタジアム)
無我夢中で振り抜いた打球が、左翼スタンドに吸い込まれる。劣勢の試合展開など、出番に飢え続けた若虎には関係なかった。途中出場の阪神の長坂が、今季初打席でプロ初本塁打。己の存在価値を高める一打は、敗戦の中に見えた光となった。
八回の守備から出場し、巡ってきたアピールの機会は6点ビハインドの九回だ。この回から登板した九里の2球目、1ストライクからの136キロ直球をジャストミート。「捉えたという感触と、『行け』という気持ちで、しっかり走りました」。矢野監督が現役時代に背負った背番号39を受け継ぐ男は、指揮官に笑顔で迎えられた。
5月10日に1軍再昇格を果たしたが、今季の出場はわずか3試合。「チャンスは多くないと思うので、チャンスでしっかりできることをしたい」。記念の一発を放ったが、チームの連敗に心からの笑顔はない。次こそ本心から喜べる快音を響かせる。