メッセ、耐えて7回1失点 開幕男の責任果たした 熱投112球
「阪神2-1ヤクルト」(29日、京セラドーム)
新生猛虎の船出を託された男は今年も頼もしい。再三走者を出しても致命傷となる一打は絶対許さない。先発の阪神・メッセンジャーは7回6安打1失点で、5年連続6度目の大役を全うした。
「これ以上ないスタートが切れた」
初回に連打でいきなりピンチ。3番・山田哲に中前へ運ばれたが、中堅・近本が好返球を見せて二塁走者の生還を阻止した。なおも1死一、二塁のピンチでバレンティンをフォークで遊併殺に料理して結局無失点。「みんなが守ってくれた」。先制点を覚悟したであろうファンの歓声が、右腕を包み込んだ。
最速146キロの直球と変化球を織り交ぜ、尻上がりの投球。四回に安打と2つの四球で1死満塁と再び大ピンチ。6番・村上の犠飛で先制点を与えたものの、傷口を最小限に食い止めた。六回で球数は102球。裏の攻撃で代打を送らず、矢野監督は続投させた。「アイツの気持ちは俺も分かっている中で、代える選択肢はなかった」と指揮官。右腕もスコアボードにしっかり0を刻んだ。
あと1勝に迫っている日米通算100勝の達成は次戦以降に。だが自身に白星がつかなくても、チームが勝てば良し。ホーム開幕戦で見せた112球の熱投。来日10年目、日本選手登録となっても虎のエースは健在だ。