【藤原オーナーインタビュー(下)】感動があるから楽しい。そういうボールパークを

 昨年12月に就任した阪神・藤原崇起オーナー(66)がこのほど、大阪市内の電鉄本社でデイリースポーツの取材に応じ、矢野燿大新監督(50)の方針に共感し、信頼を口にした。就任1年目からチームを全面的にバックアップし、最下位からの巻き返しを後押ししていくことを約束した。今回は最終回。

  ◇  ◇

 -平成が終わり、今年は新元号となる。新しい時代に、野球界はどのように進んでいくと思うか。

 「今はコンピューターが発達していますが、野球は真逆でしょう。アナログで。人と人とがぶつかり合う。あるいは、グラウンドも土、芝生で。イレギュラーもあったり、雨が降ったりして、いろんなエラーもある。時代が進む方向とは違う方向にですが、皆さんはいろんな楽しみを覚えられる。それはやはり、DO ONE’S BESTですよ。選手一人一人が全力でやるから、イレギュラーをしても『ああ、かわいそうに』って涙が出る。全力でやるということを間違わずにやっていけば、野球はまだまだ面白くなると思います」

 -球団の演出にも期待したい。

 「それに味付けはいろいろとあると思います。ビジョンを大きくします。そのビジョンにどんな情報を出すと、皆さんに喜んでいただけるのか。それもDO ONE’S BESTがあるから生きてくる。営業はそういうことを一生懸命、考えて、お客さんに見ていただいて感動を与える。感動があるから、楽しい。そういうボールパークを作っていきたいですね。せっかく気候も楽しめるボールパークを作ったんですから」

 -世の中はいろいろな物がAI化されるなど、デジタル化が進んでいる。

 「この間、知り合いのおばあちゃんが施設に入りました。タイガースの試合をよく見ていたんです。矢野さんにお願いして、サインを持って行くと元気になられたんです。そういうものなんですよ、野球のいいところは。矢野さんだけではなく、矢野から連想されるものがあるんだと思うんです。片方ではAI化しないと駄目でしょう。その反対側に人間らしさがある。バランスを取って。そういうふうになったらいいと思います」

 -その先に05年以来のリーグ優勝がある。

 「星野さんも4位スタートでしたね。不思議ですけど、そういうジンクスは吹っ飛んでしまえば、それはそれで越したことはないですから」

 -オーナーとしての後ろ支えは。

 「坂道はゆっくり上るものですから。そうでないと力強いものはできませんから」

 -阪神ファンは補強した巨人を倒すことを願っている。

 「それは、私たちも一緒です。伝統の一戦。そこに緊迫感がある。皆さまもエキサイティングを望んでらっしゃるでしょうから。これからも試合だけではなくて、もっと球場を楽しんでいただくということが必要でしょう。小さいお子さんも来ていらっしゃる。そういう方に将来の阪神ファンになっていただかないといけない。楽しい思い出を作っていただけるようにしたいですね。そのためにも選手にはベストを尽くしてもらいたいですね」

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