【阪神ドラフト選手紹介・斎藤友貴哉(上)】「雑草魂」育てた2度の挫折

 今秋のドラフト会議で阪神から指名を受けた7選手(1~6位、育成1位)を紹介。今回はドラフト4位・斎藤友貴哉投手(23)=ホンダ=に迫る。

  ◇  ◇

 念願がかなった、という表現がこの上なく正しいかもしれない。斎藤友貴哉、23歳。端正なマスクを携えた好青年は、これまでの野球人生で2度の挫折を経験している。決してエリート街道を歩んできたとは言い難い右腕が、「雑草魂」で最高峰の舞台へと身を投じていく。

 95年1月5日、山形県東根市でこの世に生を受けた。野球を始めたのは小学3年生で「いなほスポーツ少年団」に入団した。父が野球をしていたこともあり、小学校の友人たちと野球に興じた。入団時の身長は140センチ台後半。「少し大きい方だった」と振り返った本人のポジションは、今と同じピッチャーだ。「たまたまです。こだわりはなかった」と笑う。

 少年時代は“泣き虫”。「マウンドでよく一人で泣いていました。点を取られて泣いたり」と照れくさそうに振り返る。東根市立第二中に進むと、中学の軟式野球部と硬式のクラブチームも兼部。「増えないけど、頑張って食べていました」と体を大きくすることに必死だった。努力は実り中学3年で身長は179センチに達した。

 山形中央高校にはかねて「入りたいと思っていた」と明かす。来季からチームメートとなる横山は1学年先輩でその存在も影響を与えた。「中学の時(横山が)対戦相手で。試合をしていてスゴいなと思った」

 先輩左腕を追いかける高校生活は、想像以上だった。「全く別の野球にビックリというか。ホントに毎日野球でした」。不安を抱きながらも1年夏からベンチ入りを果たした。だがそこで1度目の挫折。「てんぐになった」と苦い過去を口にする。甲子園大会ではベンチ外という屈辱。庄司秀幸監督(42)からは「勝手にしろ」と突き放され「やっと気づきました」。おごり高ぶる気持ちは野球に必要ない、と我に返った。

 高校最後の夏は県大会ベスト4ながら、斎藤の登板は2試合のみ。目立った活躍はできなかった。舞台を桐蔭横浜大に移しても、リーグ戦初登板は3年の春。4年春にはリーグ戦MVPを獲得するまでに成長したが、2度目の挫折が訪れる。

 ◆斎藤 友貴哉(さいとう ゆきや)1995年1月5日生まれ。山形県東根市出身。184センチ、90キロ。右投げ左打ち。小学3年で野球を始め、東根市立第二中では中学の軟式野球部と硬式のクラブチームも兼部。山形中央高では1年夏から県大会でベンチ入りしたが、甲子園ではベンチ外。桐蔭横浜大では4年春にリーグ戦MVPを獲得する。ホンダ入社後は1年目から都市対抗野球で登板。趣味はゴルフ。好きな食べ物は牛タン。座右の銘は挑戦。今年3月に結婚。

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