下柳氏、後輩ドラ5川原に熱エール「目標立てろ」

 元阪神で野球評論家の下柳剛氏(50)が25日、同じ長崎県出身で阪神からドラフト5位指名された川原陸投手(17)=創成館=に、プロ入り前に明確かつ壮大な目標を設定することをすすめた。

 同じ長崎出身、同じ左腕。その将来性の豊かさはすでに先輩左腕の耳にも届いている。飛躍へのサポートは惜しまない。猛虎の2度の優勝に貢献した左腕は自身の経験を踏まえつつ、同郷の若き左腕に熱いエールを送る。

 「まずはしっかりした目標を立てること。そしてそのためにどうすればいいのか。プロは全員が幸せになれる世界ではないからね」

 91年のプロ入りに際し、下柳氏は3つの目標を立てた。「1億円プレーヤー」「野球のテレビゲームに名前が出る選手」「日本シリーズで勝利投手」。そのすべてを達成した。しかし、13年の引退表明時に悔いも残った。

 「全部叶うなら『日本一』という目標も立てておけばよかった」

 優勝2度。05年には最多勝。21年間で通算129勝。完全燃焼の中にも後悔があった。同郷の後輩には同じ思いをして欲しくない…左腕の切なる願いだ。

 下柳氏はこの日、長崎県内で行われた自身が主催する少年ソフトボール大会に参加。大会会長として運営に携わる傍ら、故郷の少年たちの奮闘に目を細めた。

 「理想の投手像に近づける努力。しっかりとした目標を立てることで、どうすればいいのかを考えられるようになる。先を見据えて羽ばたいて欲しいね」

 一部を手本に。一部を教訓に。すべてを手本にして欲しいとは思わない。プロ入り前の目標は可能な限り明確に、そして高く-。ヒゲの左腕が新人左腕に送るメッセージだ。

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