岩貞、奮闘0封 前回KOから中4日起用に応えた7回3安打

 「阪神0-0巨人」(24日、甲子園球場)

 阪神の岩貞祐太投手(27)が中4日のマウンドで、7回無失点と結果を残した。七回にはアウトの判定が覆り、無死一、三塁のピンチを背負ったが、気迫の投球で後続を封じた。結果的に味方の援護に恵まれず、8勝目はならなかった。それでも自らの力を示すには十分の内容だった。

 力が戻っていた。魂の7回0封。中4日で託されたマウンドで、岩貞が輝きを取り戻す。「交代と言われるまで。最後まで投げるつもりでいました」。逆転CSをかけた大事な一戦。その重みは理解していた。起用に結果で応え、強い気持ちで投げ抜いた。

 六回まで散発2安打。二塁を踏ませない快投を見せていたが七回、思わぬ形でピンチを背負った。無死二塁から阿部が放った打球は一塁へのライナー性の当たり。これをナバーロが捕球し、一塁塁審・橘高はアウトの判定。そしてナバーロは飛び出した二走・岡本を刺そうとしたが、二塁カバーが遅れたためか、送球動作を途中で止めたことで二塁・糸原の背中方向に送球がそれ、その間に二塁走者は三塁へ進んだ。

 すると巨人・高橋監督がナバーロの捕球について抗議。審判団が集まって協議した結果、ライナーではなくワンバウンド捕球の判定に覆った。金本監督の抗議も実らず、阿部の出塁がナバーロの野選、岡本の三進は失策とされ、無死一、三塁で試合再開となった。

 「あそこまでのピンチになったら、打者集中。できることをやるしかない」

 このピンチに気持ちは固まった。最大のヤマ場で、長野を捕邪飛に仕留めると、ゲレーロを見逃し三振、大城を空振り三振に斬って、無失点で切り抜けた。鳴りやまない岩貞コール。不測の事態にも動じなかった左腕が、天敵・巨人打線の前に立ちはだかった。

 『あの』登板から5日後の快進撃だった。「前回が前回だった。間隔を詰めて投げさせてもらったので、気持ちで応えようと」。19日のヤクルト戦(神宮)。立ち上がりに2本のアーチを浴びるなど6失点。劣勢ムードを一瞬で作り、四回で降板となっていた。ふがいなさから立ち直るために挑んだ中4日での舞台。球数は109球。ベンチ前で八回の登板に準備もしていた。

 反省を繰り返しながら、日々成長を続けるプロ5年目。投手戦だっただけに、虎党も祈りをささげる。誰もが失点を覚悟した七回、それを乗り越えた0封だ。ブーイングから一転、大歓声へ。小さく息を吐いた岩貞に大きな、大きな拍手が送られた。

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