大山初10号&マルチ 3発翌日また打った!10戦8発、それでも反省

 「DeNA6-4阪神」(17日、横浜スタジアム)

 阪神の大山悠輔内野手(23)が初回、先制の10号ソロを左翼席に放った。球団の大卒入団選手が2年目に2桁本塁打をマークするのは、鳥谷や桧山でもできなかったこと。この日も2安打と、前日6打数6安打3本塁打の勢いを維持。試合終盤の好機で打てなかった悔しさは、残りの20試合で必ず晴らす。

 開始直後に見せた笑顔は消えていた。空砲に終わった10号先制ソロアーチ。延長戦の末、チームはサヨナラ負けを喫し、大山は厳しい表情を貫いた。その重たい足取りが全てを物語る。悔しさが胸を締め付けた。

 唯一振り返った場面は、同点で迎えた九回だった。一打勝ち越しの場面。これが大山にとって、この日最後の打席となった。2死から、連続四球で仲間が導いてくれた一、二塁の好機。絶好調男にバトンが渡ると、球場の雰囲気が変わった。

 チャンステーマの大合唱も自然と熱を帯びる。それでも大山は初球を打ち上げ、遊飛に倒れてしまった。「全ては最後の打席だと思う。あそこで打たないと意味がない」。言い訳はしない。みんなの思いに応えられなかった現実。虎党の祈りは、あと一歩のところで届かなかった。

 落胆が大きいのは、誰もが大山の一撃に魅了されていたから。初回。簡単に2死を奪われ、入った第1打席だった。135キロの高めに抜けたカットボールを鋭くフルスイング。前夜の6打数6安打に続く、7打席連続安打目が左越えの先制弾となった。

 プロ入り後、初めて2桁本塁打に到達。直近10試合で8本塁打。現在フィーバー中だ。大卒2年目での2桁本塁打達成は、岡田彰布(デイリースポーツ評論家)がプロ1年目の1980年から12年連続でマークして以来。鳥谷は3年目、桧山でも5年目まで成し得なかったことをやってのけた。

 だが、ここで立ち止まっているわけにはいかない。未来の主軸を期待され迎えた猛虎2年生だ。金本監督も言葉に思いを込める。「最後やな。ああいう場面で打てるように。ここ一番のチャンスでそういう勝負根性というものを。さらにステップとして、ここから成長してほしいですね」

 不安と共に迎えた今シーズンも残り20試合。一時は・163まで落ち込んだ打率も・272まで上昇した。カギを握るのは中軸を任される大山。前だけ一点を見つめた男は、今や猛虎に欠かせないピースになった。

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