糸井、逆襲弾 骨折から復帰即4番一振りV3ラン!さぁ真夏の反攻開始や

 「DeNA5-7阪神」(21日、横浜スタジアム)

 体は傷つき、痛みが走ろうとも、チームのために帰ってきた。右足腓骨(ひこつ)骨折の完治を待たず、1軍に再昇格した阪神・糸井嘉男外野手(36)が復帰戦をド派手に飾った。同点の三回に連敗を5で止める決勝の11号3ラン。これぞ、男や、超人や-。

 やや外寄りの直球。勝利をたぐり寄せるべく、こん身の力で振り抜いた。最高の感触を手に残し、ダイヤモンドを一周する。貫禄の一撃は反撃の号砲。「右足腓骨骨折」を乗り越え、糸井が1軍に帰ってきた。

 二回、ロサリオのソロで先制したが、すぐさま逆転を許した三回だ。福留の右前適時打で同点に追いつくと、なおも1死一、二塁。左腕・石田の2球目を捉え、11号3ランを右中間スタンドにたたき込んだ。

 5連敗中のチームに勝ち星をもたらす価値ある一発。だが、20日のウエスタン・中日戦後と違って、試合後の糸井にほとんど笑みはなかった。厳しい表情で「連敗が止まったのはよかった」とぽつり。まだ、自らのパフォーマンスに満足はしていない。

 それでも、少しだけ表情を和らげた瞬間があった。「新井良太が何百球も投げてくれたんで、打たな怒られる」。リハビリ期間中、酷暑の鳴尾浜で2軍育成コーチは毎日のように打撃投手を務めてくれた。何百球と外野ノックも打ってくれた。サポートに報いることができ、感謝の気持ちが糸井の胸を支配した。

 金本監督から「初めての恋人」と熱烈なアプローチを受け、阪神に入団した。指揮官を「僕の中ではレジェンド」と尊敬してやまない。昨季は「休め」と言われ、「監督なら休みますか?」と出場を志願したこともあった。

 6月30日のヤクルト戦で死球を受け骨折。それから3週間で1軍に復帰し、本塁打を放つ。自分を呼んでくれた人を胴上げするために、男にするために、という思いが原動力だ。鉄人と呼ばれた指揮官の後ろ姿を、糸井は追っている。

 復帰即4番に抜てきした金本監督は「安心ですよね」と目尻を下げた。さあここから反攻だ。役者がそろった猛虎打線、その中核を担う糸井が、圧倒的な力でけん引していく。

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