原口、代打打率・478 沢村撃ちで執念3点目「いいスイングができている」

 「阪神3-4巨人」(16日、甲子園球場)

 今季最多、4万6788人の大観衆が沸いた。一気に逆転へのムードが高まった。たった一振りで聖地の雰囲気を変えてみせた代打の阪神・原口。惜しくも1点差で後半戦開幕を白星で飾ることはできなかったが、代打成功率・478の勝負手は今後の戦いで大きなカギを握ることになる。

 場面は3点を追う八回だった。ナバーロの遊ゴロ間に1点を返し、なおも2死一、二塁の場面で代打・原口がコールされた。マウンドには沢村。カウント1ボールからの2球目、真ん中高め148キロの直球を完ぺきに振り抜いた。

 「一番いいボールを自分のスイングで打ち返すことができた」と打球は痛烈なライナーとなって左翼の芝生に弾んだ。1点差に迫る左前適時打。沢村の一番の武器とも言える高めのストレートに振り負けず、きれいにはじき返すことができるのは原口の独特なリストワークにある。

 帝京高時代、名将・前田監督から「(インパクトの瞬間に)右手首を返せ」と指導された。その教えを今も守り抜き、利き腕の右手をかぶせるように振り抜くことで、高めの速いストレートに力負けしない。

 まだ2軍で研さんを積んでいたころ、他の選手も原口のリストターンをマネしようと取り組んだ。だが誰もモノにできなかったという逸話が残る。プロでも群を抜く手首の強さ-。代打で起用される時、マウンドには必ずストッパーかセットアッパーといった直球を武器にする投手がいる。猛者を相手に残す驚異的な代打成功率は、直球に強い原口でしか成し得ない数字だ。

 インサイドアウトのスイングも崩れることなく「いいスイングができているので、続けていきたい」と力を込めた背番号94。確かな技術からくる自信が、原口の背中にはみなぎっている。

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