岩貞、地元熊本で元気もらった 高校3年生以来のマウンド「本当に幸せでした」

 「マイナビオールスターゲーム・第2戦、全セ1-5全パ」(14日、リブワーク藤崎台球場)

 懐かしい地元の大声援に全力投球で応えた。1球1球投げ込むごとに、9年前の思い出がよみがえる。22球のうち19球が直球。たくさんの経験を積ませてくれたマウンドで阪神・岩貞が真っ向勝負した。

 「苦い思い出のまんまでした。大勢の熊本の方の前で思い切って投げることができて本当に幸せでした。高校3年以来だと思い投げて、点を取られると悔しい気持ちは9年前と変わりませんでした」

 四回に登場。1死から連打で一、二塁としたが、中村晃を外角の直球で投ゴロ併殺。無失点で切り抜けた。

 失点を喫したのは五回だ。松田の二塁打と失策で無死三塁のピンチを背負った。続く源田には中前への適時二塁打を許し、先制点を献上。甲斐にも左前適時打を運ばれて2点目を奪われた。2回を投げ5安打2失点。敗戦投手となったが、心身ともに成長した姿を地元ファンに示した。

 とにかく投げられることだけでもうれしかった。16年に起こった熊本地震。藤崎台球場は被災し、熊本市内にある自身の実家も被害を受けた。思い出の地である球場は復旧できない可能性もあった。しかし再び野球ができる環境へと復活した。「震災を受けてもここは変わらないんだなと思いました」。思い出のマウンドをしみじみとかみしめた。

 敗戦で悔しさを味わった場所でもあるが、投手としてのスタート地点だ。高校2年の春ごろから本格的に投げ始め、初の公式戦登板がこの球場だった。「プロ野球選手として戻ってくることができた」。野球少年少女だけでなく、スタンドで見守った両親にもプレーで勇姿を届けた。

 2日間の夢舞台が終わり、16日からは後半戦が始まる。「チームに戻って自分自身の投球でチームを勝たせるためにしっかり準備をしてマウンドに上がりたい」。逆転優勝へ。フル稼働して勝利に貢献し続ける。

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