原口、驚異の代打成功率・455の理由 「インサイドアウト」崩されない打撃の確立

 独自の視点からプレーの深層に迫る「虎目線」-。前半戦を終え、驚異的な代打成功率・455をマークする阪神・原口文仁捕手(26)に焦点を当てます。1打席にかける準備の仕方もさることながら、最も変わったのは崩されない打撃フォームを固めたこと。昨季、徹底した内角攻めに苦しんだ反省を生かし、スイング軌道を根本から変えたことが好結果へとつながっている。

 代打・原口の名前がコールされると、甲子園のスタンドは大歓声を上げて打席に迎える。勝負どころで最も期待できるバッターと言っても決して、過言ではない。代打成功率は驚異的ともいえる・455。その要因は何なのか-。本人はスイング軌道の変化を一番手に挙げる。

 原口「インサイドアウトを意識するようにして。去年は内角を攻められて崩されてしまったので。基本的には直球待ちで変化球に対応するバッターなので、自分の形を崩されないのが一番。崩されたら練習で修正して、打席に立っていくようにしている」

 16年に育成選手から支配下再登録でブレーク。飛躍を目指した昨季は徹底した内角攻めに苦しんだ。おのずと左肩が開き気味になり、前のカベがしっかりと作れなかったことで、バットの軌道もドアスイングへと変化していった。

 打率は・226と低迷。全打席結果の投球内訳を見てみると、内角のボールをヒットにできたのはわずかに1本しかなかった。“2年目のジンクス”と呼ばれるように、相手も前年のチャートを洗い出して対策を練ってくる。原口は徹底的に弱点を攻められ、弱点を意識するあまり他のコースにも対応できなくなる悪循環へとはまってしまった。

 それを克服したのがインサイドアウトのスイング軌道。4月下旬ごろ、打撃練習で明らかに違う形へ変ぼうを遂げようとする原口がいた。「これが理想型です。なかなか難しいんですけど」と語っていたが、それをモノにできたことを象徴するヒットが5月15日のDeNA戦で生まれた。

 代打で決勝打を放ったシーン。内角直球にバットを折られながらも、打球はいったん、三塁ファウルゾーンからスライス軌道を描いて左翼線へ落ちた。ドアスイングであればフックしてファウルラインを割る打球。内側からバットを出すように意識しなければ、あり得ない一打だった。

 原口「代打で出ていくと相手の配球も今までと変わってくる。配球を読むと言うよりは、しっかり自分の形を意識して打席に立つようにしています」

 試合中の準備についても平野打撃コーチは「試合展開を読みながら投手が崩されそうであれば、四回くらいから自分で準備を始めている。試合展開を読むのもうまい」と言う。捕手に復帰した今季はスタメンでも結果を残し、シーズン通算での打率は・314。後半戦の巻き返しへ、原口の打棒は欠かせないファクターの一つとなる。

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