福留が12球団制覇弾!金本&新井に続く球団3人目 意地の完封負けを阻止
「交流戦、日本ハム11-3阪神」(14日、札幌ドーム)
厳しい表情は一切、崩れなかった。大敗の中で一矢報いた史上33人目の全球団制覇弾にも、阪神・福留は無言を貫いた。ただ打線全体が調子を上げてきたここ2試合で無安打だった主将が、波に乗れたことは今後の戦いを見据えた上で確かなプラス要素になる。
場面は8点ビハインドで迎えた八回だった。無死一塁で回ってきた第4打席。初球にインハイを厳しく攻められたが、まったく動じなかった。2球目、ストライクゾーンに来た内角高めの直球を完ぺきに振り抜くと、打球は右翼席へと飛び込んでいった。
4試合ぶりの5号2ランでチームの完封負けを阻止する一撃。交流戦が始まった05年以降、唯一、日本ハムからだけ本塁打を放っていなかった。阪神では金本、新井に次ぐ史上3人目の快挙。六回にも3試合ぶりとなる中前打を放ち、無安打試合を長引かせないところに一流打者の信念がある。
「状態が悪いときもあるけど、試合に出る以上、そんなことは関係ない。結果が出るようにやっていかないといけない」と語った福留。スイングの状態がよくないと判断すれば、すぐに修正へと取りかかる。第2戦の試合前練習からティー打撃のやり方を工夫し、スイングの軌道を意識しながらバットを振り込んだ。
悪いことを悪いままでは終わらせない-。客観的に自分のスイングを分析し、今まで積み重ねてきた技術の引き出しを開けて対処する。それがプロの姿勢であり、福留が41歳まで現役の第一線を走り続けられる大きな要因だ。
交流戦でいまだカード勝ち越しがない阪神。それでも打線全体が調子を上げ、福留も流れに乗ったことは大きな意味がある。パ・リーグとの試合は残り5つ。主将のバットがカギを握る。