ロサリオ、千金V打で連勝!聖地を歓喜に染めた 「スライダー一本」指令に応えた

 「阪神2-0ヤクルト」(24日、甲子園球場)

 虎党はこの一打を信じていた。金髪を一日で黒に染め直した阪神のウィリン・ロサリオ内野手(29)のバットが、白星を呼び込んだ。0-0の八回、2死一、二塁から決勝の2点二塁打。惜しくも聖地初弾とはならなかったが、中堅フェンス直撃の大飛球で5カードぶりの勝ち越しを決め、4位に浮上。きょう25日からは巨人を迎えての3連戦。宿敵の菅野撃ちも任せたで!

 完璧な手応えが両手に残った。バックスクリーンへ伸びていく白球がフェンスに直撃して跳ね返った瞬間、聖地が大歓声で揺れた。苦悩するロサリオが放ったゼロ行進に終止符を打つ2点二塁打。その直前、ベンチでは決断を迫られていた。

 「代打も考えたんだけど」-。八回2死一、二塁の局面を試合後の金本監督はそう明かした。1死一塁から糸原に送りバントを指示。3安打の福留が敬遠され、4番勝負で来ることも想定していた。

 この日、主砲の内容はハフの変化球を前に3打席連続凡退。六回1死二、三塁の好機もつぶした。勝てなければ4番の責任。秋山が「一塁からの返球に元気がなかった」と言うほど、ロサリオは追い詰められていた。

 そこでベンチは“ある指示”をして4番にもう一度、チャンスを与えた。指揮官と片岡ヘッドの2人がかりで「真っすぐの見逃し三振はええから。(狙いは)スライダー一本で」と“命令”。今まで助言を聞き入れなかった頑固な助っ人は、意を決したようにうなずき打席へ向かった。

 近藤が投じた初球、外角のスライダーを完璧に見極めた。そして2球目、「狙っていた通りに」と甘くなったスライダーを脚本通りに叩いた。殊勲の決勝打にベンチを指さして笑ったロサリオ。自身も苦境を打破しようと必死だった。

 前日に金髪へとイメチェンしたが、この日、黒髪に染め直してグラウンドに現れた。頭頂部には金髪の名残がポツポツとあったが…関係者によると、抱いたイメージとはかけ離れていたため、違う色を入れたという。

 22日の倉敷で11試合ぶりの4号2ラン。本塁打を打った後は不振に陥るジンクスを変えようとあらゆる方策を探った主砲の一振りで、チームは5カードぶりに勝ち越した。加えて雨天中止の次の試合は5戦5勝となる白星を呼び込んだ今、金本監督はこうアドバイスする。

 「変化球を打てば、また相手も考えて真っすぐが増えてきたりするから。そういう駆け引きをできないと日本では難しい」。そして「まだ遅くはないからね」-。この一打が日本の野球を理解するきっかけになれば…残り102試合、まだまだ輝ける可能性はある。

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