原口 代打で大仕事!バット折りながら執念V二塁打 連敗脱出導いた

 「阪神2-1DeNA」(15日、甲子園球場)

 阪神が連敗を4で止めた。0-0の六回、代打・原口文仁捕手(26)がバットを折られながらも、ファウルゾーンからスライスして三塁手の頭上を越える執念の2点二塁打で均衡を破った。今季14試合目の出場にして初適時打初打点。このリードをメッセンジャー、ドリスの継投で守り切り、勝率5割に復帰した。

 たまりにたまったファンのフラストレーションを一気に解いた。泥くさい、執念のヒットが大きな大きな2点を呼び込んだ。「僕も勝負どころだと覚悟を持って」-。原口の強い気持ちが、バットを粉砕されても、打球にありえない軌道を描かせた。

 場面は六回2死満塁。DeNAベンチが左腕・エスコバーを投入してきたところで、代打・原口がコールされた。初球の直球にバットは空を切ったが「しっかり振っていけたので」と直後に打席を外してイメージを反すう。1-1からの3球目、内角148キロの直球を振り抜いた。

 折れたバットが三塁ベンチ方向へ飛び、本人も一瞬、打球を見失った。ファウルゾーンへ飛び出した白球は、右打者の引っ張った打球ではありえないスライス軌道を描いてフェアゾーンへ戻ってきた。

 これが左翼線にポトリと落ちると、一気に2者が生還した。「いいところに飛んでくれてよかった」と原口。金本監督も「最初はファウルゾーンに飛んだんで(笑)。それもバットの出がいいからということにしておきましょうか」と笑い、「分からない。どういう(スイングの)軌道だったのか」。歴代7位の2539安打を放った指揮官ですら首をかしげる一打だ。

 先週の東京遠征中、育成選手時代に捕手のイロハを教わり、「僕の師匠です」と言い切る城島健司氏と会食したという。原口がシンデレラストーリーを描いた16年オフ、城島氏は「まだまだ。原口がプロのキャッチャーとして話ができるようになったらね」と突き放し、本人も「もっと頑張ります」と言った。

 だからこそ捨てきれなかった捕手への思い。ダメなら辞める覚悟で-。昨年10月、フェニックスリーグ中に当時2軍の山田バッテリーコーチに、そう言って捕手再転向を志願した。生半可な道ではないからこそ、自分の居場所を作るには結果を出すしかなかった。

 その執念が乗り移ったかのような打球。連敗を止め、勝率5割に戻ったお立ち台で「必死のパッチで打ちました」と原口は笑った。いつか“師匠”と対等に話ができる日まで、懸命に捕手道を歩み続ける。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス