高山、どやっ菅野!希望の2適時打 敗戦もGエースに一矢報いた

 「阪神2-8巨人」(20日、甲子園球場)

 試合に出る、とは何か-。先発出場できるのは9人。その重みを痛いほど知っていた。完封負けを喫するのとはわけが違う。阪神・高山が刻んだ「2点」は明日への光だ。11打席ぶりの快音。少ないチャンスの中で、自らの役割をきっちり果たした。選ばれた9人の1人として。

 貧打に苦しむ中、反撃のパンチを食らわせたのは六回だ。途中出場の原口と伊藤隼が連打で続いた。先発を外れた仲間が“執念”で作った無死一、二塁の好機。その思いに応えないわけにはいかなかった。

 1球目を豪快なフルスイングで空振り。そして続く2球目だ。右前へはじき返し、二走・原口が一気に生還。待望の1点は、苦しむ高山のバットから生まれた。8日・中日戦(京セラ)以来となった打点。意地を見せた。

 そして八回。1死三塁の場面で、低めの変化球に食らいつくと、打球は二塁手の頭上を越えた。2打席連続の適時打に「得点圏に走者もいたので、そういう(かえす)気持ちが強かった」と高山。試合前の時点で打率は・207まで落ち込んでいた。その苦しさを拭い去るかのように、快音を奏でた。

 今季は開幕戦から執念のヘッドスライディングで内野安打をもぎ取るなど、気持ちのこもったプレーを続けている。プロ3年目。昨季は成績不振で、プロ入り後初の2軍降格も経験した。「テレビで阪神戦を見ることが初めてで、不思議な感覚でした」。悔しそうに振り絞った当時の感情。出られない日が来るんだと思い知った。

 挫折、悔しさ、もどかしさ。それらを乗り越えて今がある。「使ってもらっていたことに応えようと」。首脳陣の思いを背負って、難敵・菅野に一泡吹かせた。不調の先に見えた確かな希望。選ばれし9人の戦士として、高山がまた打席へと向かう。

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