さすが福留 日米通算300号!今季初零敗阻止する主将の一発

 「阪神2-3ヤクルト」(13日、甲子園球場)

 狙い澄ましたかのように振り抜いた打球が、右中間へと伸びていった。完封負け寸前から、一振りで同点だ。福留が九回無死一塁から起死回生の同点アーチ。日米通算300号を本拠地・甲子園で描いた。

 ロサリオの投手強襲安打で反撃ムードが高まる中、打席に入った。カウント2-2と追い込まれたが、5球目の147キロシュートを一閃(いっせん)。土壇場でチームを救った。

 「その前に何とかしていればね」と、1死一、二塁から二ゴロ併殺に倒れた六回の打席を悔やむ。同点に追いついたものの、最終的には黒星を喫した。敗戦の悔しさが、福留の頭の中を駆け巡った。

 それでも、今季初の完封負けを阻止する魂の一本だった。「みんながそういう思いでつないでいったから」と、仲間の執念はひしひしと感じ取っていた。その思いに応えるのが、チームを引っ張る主将の責務だ。

 開幕当初の勢いに陰りが見え始めていた。だが、そんなことでぶれる福留ではない。「いい時も悪い時もある。そこらへんは自分で処理しながらやっていきたい」と常々話すように、いつでも泰然自若の構えを見せる。プロ20年で培った経験が、なんとも頼もしい。

 昨オフの契約更改時から、「個人の成績はどうでもいい」と言い続けてきた。「個人でどれくらい打ちたいとか、数字を残したいというのはほとんどない。とにかく勝って、喜ぶというのが一番」。最優先はチームの勝利。だからこそ、13日の試合後に笑みは一切なかった。

 金本監督は「あそこで打ってくれるのが孝介であって」と全幅の信頼を置く。敗戦の中に、勝ちに飢えた福留の執念が赤く燃えさかった。

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