球児16戦0封 回またぎなんの!2回3K無失点
「阪神2-7巨人」(13日、甲子園球場)
ゲーム展開は関係ない。いくら大差がついても自分の役割を全うする。一方的な流れの中でも確かに見せた安定感。マウンド上での姿が頼もしい。連投の阪神・藤川球児投手がイニングまたぎで0封ピッチ。宿敵の前に立ちはだかった。
ただ目の前の相手に集中すればいい。八回のマウンドへ4番手として藤川が向かう。対するは巨人の強力クリーンアップ。まずは坂本勇を低めの直球で遊ゴロに仕留める。さらに4番・阿部には緩急と制球で勝負を挑んだ。初球に高め直球を投げ込めば、今度は100キロ台のカーブを効果的に見せていく。最後は外角低めの直球で一ゴロ。続く村田も右飛にさばいた。
まだまだショーは終わらない。九回には1死から橋本到の左中間二塁打で9月に入って自身初めての安打を許したが、この回奪ったアウトは全て三振。危なげない26球で敵を圧倒した。7月30日の中日戦から、これで16戦連続計19イニング無失点。勝負どころの夏場からさらにすごみが増している。
先発スタートだった昨季の経験を生かしている。リリーフとして1年間を戦い抜くため、オフから意識したのは焦らずに体を仕上げていく調整方だった。
「1年間、しっかりと戦うために、じっくりじっくりやっていく」。これまでは温暖な沖縄を中心に自主トレを行ってきたが今年は鳴尾浜での時間も割いた。「暖かいとペースが上がってしまうので」。ベテランとしてブルペン陣に気を配りながらも自身への工夫は怠らない。
確固たる存在感が際立っていく。ここからはCSをにらんで臨んでいくシーズン終盤の戦い。「また明日ですね」。クラブハウスへ引き揚げる間際に発したものは今後を見据えての言葉。右腕を振り猛虎の未来を照らしていく。