「オープン戦、ソフトバンク５－１阪神」（２３日、ヤフオクドーム）

　課題は残ったが、確かな成長とポテンシャルは示した。５回３失点。阪神・青柳が開幕ローテ入りを勝ち取った。金本監督は「やっぱり育てていかないといけないピッチャーだし。経験を積めば可能性持ってるやつだから。ローテーションに入ってくるでしょう、最初は」と明言。内容よりも将来性を重視して決定を下した。

　立ち上がりは完璧だった。三回まで全て３人斬り。これまでの姿とは対照的に、ストライクを先行させた。カウントを有利に作り、チェンジアップやスライダーをコーナーに投げ分ける。「ゾーンにいったボールは三振も取れたしよかった」と計７三振を奪った。

　だが悪夢が右腕を襲う。１球の失投からだった。四回１死。真ん中に入った直球を今宮に中堅フェンスまで運ばれる。「甘かった。今宮さんに打たれたのがよくなかった」。二塁に走者を背負うと、リズムが崩れた。中村晃、柳田、長谷川勇と連打を浴びて３失点。クイック時の制球など、課題も残った。

　失点したシーンについて指揮官は「二回り目で慣れられてしまったところもあるだろうし、三回までうまく変化球でストライクを取れていたけど。四回はストレート系に頼り過ぎたよね」と分析。バッテリー間の配球に課題を挙げた。

　昨秋からローテ５番手候補として名を挙げられ「自覚しないといけない」と話してきた右腕。その覚悟が実になった。勝負は１年間続く。責任を持って任務を遂行する。