金本監督 バント練習で怒った「甘い」
「阪神春季キャンプ」(22日、宜野座)
阪神・金本知憲監督(47)が、実戦形式のバント練習で失敗の目立った投手陣に対し、「甘い」と苦言を呈した。キャンプ終盤で投手陣のバント練習の成果を試したが、指揮官の目には犠打練習に対する意識が希薄に映ったようだ。1点を争う試合で投手がきっちり犠打を決めれば、順位は大きく変わるとあって、バント後の走塁についても厳しく追及した。
金本監督は会見の最後に自ら切り出した。
「きょうはバント練習でしょ。もうちょっと普段からピリッとやってほしい」
メッセンジャー、藤川、岩田、秋山、岩崎、岩貞の6投手で行った実戦形式の犠打練習で失敗が目についた。打撃投手を相手に計33度の企図で9度走者を送れず、表情をしかめた。練習後、本塁付近に投手陣を集め、高代ヘッドコーチとともに強い口調で指南した。
「まだまだ失敗が多い。(上達するには)コツと反復練習。しっかりコツをつかむような練習をすれば絶対にうまくなるんだから。キャンプ中にもう1回(この練習を)やりますよ。室内練習場で普段やっているときの意識をどれくらい持ってくれるか。ただバントの時間だからバントをするというようにやっているようじゃ、甘いよね」
昨季は1点差負けのゲームが18試合あった。投手の犠打の成否で勝負を分ける試合を高い確率でモノにできれば、順位は大幅に変わってくる。地道な訓練で技術を高め、犠打への意識を変革することを投手陣に要求した。
「メーン球場でないところ、室内でもピリッと緊張感を持って、しっかり自分のできる形を覚えないといけない。コツをつかむまで真剣にやってほしい。投手は自分に返ってくる。同点の場面でバントを成功させれば1点入る。逆に失敗してゲッツーを食らったら、もうね…」
さらにバント後の走塁についても、追及した。評論家時代、ある試合で岩崎がバントを転がした後、完全に緩めて走る姿に苦言を呈したことがある。同プレーでは相手守備が乱れ、岩崎が真面目に走っていれば好機が広がっていただけに、論調は厳しさを増した。
「全力疾走しろと言っているわけじゃないけど、もう少し徹底してほしい。ワンジャックルでセーフになる。7~8割で走っていたらセーフになったのに、ということがプロ野球界ではよくある」
9番目の野手を変革することも金本野球の主題のひとつだ。